支部独立分会代表者会議を開催

いっそうの賃上げ
痛む賃金を正し苦しさ増す生活を直す
ともに確信をもってたたかう
2024年春闘に

2024年春闘にむけて意思統一をはかった支部独立分会代表者会議
2024年春闘にむけて意思統一をはかった支部独立分会代表者会議


全体司会の中島副委員長 開会あいさつの西田賃対部長
全体司会の
中島副委員長

開会あいさつの
西田賃対部長

 1月20日(土)東京において支部独立分会代表者会議を開催しました。会議には、本部、各支部・独立分会の代表者、友好労組である大同火災海上労働組合、損保料率算出機構労働組合の仲間を合せて27名が参加し、2024年春闘に向け、情勢認識の一致をはかり、春闘の運動方針について論議・確認されました。

 全体会は、中島副委員長(日本興亜支部)の進行ですすみ、西田賃対部長(常任中執・共栄支部)の開会あいさつ、友好労組の仲間を紹介した後、浦上委員長が、「私たちをとりまく情勢と2024年春闘方針」を提起しました。

春闘方針を提案する浦上委員長
春闘方針を提案する浦上委員長

 冒頭浦上委員長は、能登半島地震で犠牲となった方々への弔意と被災者へのお見舞いを述べるとともに、中央執行委員会で確認した声明「能登半島地震による大規模災害への対策と支援について」を紹介し、「被災地の復興に少しでも役立つように」として義援金への協力を訴えました。
 とりまく情勢では、長期化するウクライナ危機による穀物やエネルギーの供給不足と物流の滞りを要因とした世界的な物価高、それを抑えるための政策金利引上げが景気後退をもたらし、企業業績や市民生活、労働者の雇用へ多様な影響を与え、世界経済の先行きが混沌としている状況を説明しました。日本については、7月〜9月期のGDPが年率換算で2.9%減となるなど、経済が減速していることを説明しました。そうしたなかでも、7月〜9月期の企業の経常利益が前年同期比20.1%増加の20兆8千億円で過去最高を記録し、大企業の内部留保も511兆円となる一方で、労働分配率が過去50年で最低レベルとなり、人件費は1%弱しか伸びていない数値を紹介し、「大企業が得ている巨額の利益が労働者の賃金に還元されていない」と強調しました。そして、消費者物価指数が1年平均で3%程度上昇し21ヵ月連続前年同月を上回り、実質賃金が20ヵ月連続でマイナスとなっているとし、コロナ禍からの回復がすすまず長期化する物価高で苦しむ国民・労働者の状況を各種経済指標から明らかにし、経済政策の課題を指摘しました。そして、発足から2年以上が経過した岸田政権の政策について「国民の危機を救い不安を払拭するための具体的な政策はほとんど実施されておらず国民の期待に応えていない」とし、国民の暮らしを顧みず平和と民主主義を危険にさらす具体的な政策の問題点を指摘しました。加えて、「政治とカネ」の問題が一気に噴出している状況を説明し、「今の政治の流れは、国民の不安や思いに背を向けていると言わざるを得ない」と強調しました。そのうえで内閣支持率が急落し、重要な政治課題に対し説明責任を果たさない政府の姿勢に「NO!」の意思を示している国民が多くいることを紹介し、「せめぎあいが続く歴史的転換期であり、私たちの声と運動が明日をきりひらく力になることを確信にしなくてはいけない」と訴えました。
 損保の状況について、コロナ関連の保険金支払いが減少し、海外事業での増収によって通期決算で過去最高益を見通す大手3グループの決算内容を説明しました。そのうえで、事業環境について、既存市場の縮小や大規模自然災害の発生懸念など、これまで経営が注視していた要因に加えて、不透明なコロナ禍の動向、ウクライナ危機や中東での戦闘激化による経済停滞、スピードが求められるデジタル化への対応など、「従来とは次元の異なる課題を抱えて不透明さを増していることから、損保経営の危機感はさらに強まっている」とし、大手社におけるマーケットシェアの競い合い、海外事業、新規事業領域の推進による収益拡大の状況とともに、中小社も巻き込んで「収益力の強化」をめざした「合理化・効率化」と労働生産性を追求する動きの強まりを、各社の具体的な政策にふれながら説明しました。そして、この「収益力の強化」を第一義とする経営姿勢が、顧客を置き去りにした大手4社による「価格調整」やビッグモーター社にかかわる一連の事態となって表れているとし、「損保産業の社会的信頼が損なわれている今、損害保険の社会公共性に照らして問題の本質を洗い出し、課題解決をはかることで健全な産業としての信頼を取り戻さなければいけない」と強調しました。
 こうした歪んだ経営政策が職場に歪みをもたらしているとし「その政策すべてが事業費削減に結びつき、損保産業の社会的役割が歪められ、働くものの誇りと働きがいの向上にはつながっていない」と指摘し、こうした過当競争のもとで、職場には不安や不満が広がる一方で、「何とかしてほしい」とする声とともに、74.6%の組合員が「昇給の確保・賃金水準の引き上げ」を求めているアンケート結果を紹介しました。
 そして、本部オルグ、賃金討論集会や「地域組合員との意見交換会」など、組合員が集まり語り合い、物価高による生活の厳しさも含めて職場の実態や思いを共有してきた秋のたたかいでの運動の前進を紹介しました。そのうえで2024年春闘について、「労働に見合っていない賃金を引上げ、生活を改善するとともに、損保に働く者の誇りと働きがいを取り戻すためにたたかう春闘となる」とし、そのためにも「全体で知恵と工夫を出し合い、『集まること』の大切さを忘れずいつも意識し、現実的に組合員と対話する努力を実践する」ことの重要さを強調しました。そのうえで、賃上げを柱とした要求を掲げ、主張を束ねて団結を強化し、確信をもってたたかう春闘と位置付け、昨春闘に引続き要求水準を明記した「統一基準案」、闘争スケジュールなど具体的な春闘構築について提起しました。

 これを受けて2班に分かれて分散会をおこない、情勢認識を深めながら、各支部・独立分会の代表者が、それぞれの要求論議の状況と職場実態を踏まえて、春闘に向けたとりくみを報告し合い、統一基準を柱とした全損保統一闘争、春闘における主要課題への意思統一がはかられました。

分散会で活発に意見交換 分散会で活発に意見交換
分散会で活発に意見交換



討論をまとめる及川書記長 閉会あいさつの中島副委員長
討論をまとめる
及川書記長

閉会あいさつの
長塚常任中執

 その後の全体会では、大同労組、損保料率機構労組の代表からのあいさつ、及川書記長による討論のまとめがおこなわれ、2024年春闘アピールが採択され、長塚賃対部副部長(常任中執・日新支部)の閉会のあいさつと団結ガンバローで締めくくられました。

 全損保では、この討論を受け、各支部・独立分会が2024年春闘の要求・課題を確立する論議をすすめ、3月13日に開催する全損保第89回定期全国大会で方春闘針を確立し、要求実現に向け、たたかいに入ります。




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