日動外勤のたたかい
中労委が不当労働行為救済命令
東京海上日動 3度目の断罪

中労委の救済命令を受け、ビラ発行
中労委の救済命令を受け、ビラ発行
 11/17、中央労働委員会は、東京海上日動火災が、全損保日動火災外勤支部に対する不当労働行為を断罪し、救済命令を交付しました。同社は、2004年、東京海上と日動火災の合併前後から、全損保日動外勤支部への組合攻撃を続けてきましたが、昨年5月の都労委命令に続き、その違法性がまた断罪されました。
 この不当労働行為は、外勤社員切捨てと一体で進められてきましたが、外勤社員切捨て事件では昨年3月東京地裁から断罪を受けており、この2年で、司法から3度目の断罪を受けるという異常事態です。
 命令内容は、下記の通り、不当労働行為を認めて、解決に向けた協議を約束する文書を組合に交付せよというものです。具体的な争点は「会社が支部組合員の月例給与から組合費をチェックオフし、支部分裂後にできた新労組・契約係従業員労組に引き渡し、返還要求にこたえなかったこと」、「別組合との間の時間内組合活動、会議室利用などの便宜供与の差異」は、不当労働行為に該当するか、ということです。中労委は、そのいずれも、全損保日動外勤支部を嫌悪し、弱体化するために行った不当労働行為であると明確に認定しました。
 それだけでなく、中労委は、2004年の会社合併前の組合分裂に係る事実から詳細に検討し、経営者が、支部分裂を企てた旧執行部との間で「臨時支部大会での脱退などの決議に関し連絡協議し、旧支部分裂後、契従労(新労組)を旧支部の正当な承継組合として取扱う旨の打合せをしていたことが伺われる」など、分裂攻撃当時から、会社が支部を嫌悪したと認定。チェックオフを濫用して支部組合員の組合費を新労組に引き渡し、その後も返還しなかったことは、「日動火災が申立組合を嫌悪し、本件申立組合に入るべき活動資金などを失わせ、申立組合に経済的打撃を加えるとともに、労働組合としての活動を抑制し、これを排除しようとしていたものといわざるを得ない」など、より本質的な不当労働行為の判断に踏み込んでいます。

団交で履行を申し入れ 朝ビラで宣伝
 全損保日動外勤支部は、命令交付後、ただちに団体交渉を開催、会社に命令をただちに履行し、命令の趣旨に立って解決をはかるよう申し入れました。これに対し会社は、精査し、検討するとこたえるのみでした。また翌朝には、全損保の仲間と共に、本店周辺で宣伝行動を行いました。
 不当労働行為は、違法な反社会的行為です。金融危機が深まり、金融機関への批判が強まる中、損保トップカンパニーが、このような反社会的行為を行うことは、断じて許されることではありません。東京海上日動火災には、命令を守り、労使紛争の解決をはかること以外、残された道はありません。
 全損保、全損保日動外勤支部は、三たび手にした、司法の勝利判決・命令を力に、外勤社員切捨て事件、不当労働行為事件の解決をめざし、全力で奮闘します。


命令内容
被申立人会社(東京海上日動)は、本命令書受領の日から1週間以内に、下記内容の文書を申立組合らに交付しなければならない。

全日本損害保険労働組合
 中央執行委員長 吉田 有秀 殿
全日本損害保険労働組合日動火災外勤支部
 執行委員長   佐藤 修二 殿
東京海上日動火災保険株式会社
代表取締役 隅修三

 当社が、貴支部所属組合員の平成16年6月及び7月分の月例給与から組合費をチェックオフし、その組合費を日動火災契約係従業員労働組合に引き渡し、貴支部からの返還要求に応じなかったこと、また、時間内組合活動の賃金控除対象外取扱い、会社施設の利用(会議室、電話・ファックスの利用及び什器備品の貸与)及び組合費のチェックオフの便宜供与について、別組合に対して実施している内容よりも貴支部に対する便宜供与の回答内容の程度が低かったことは、中央労働委員会において不当労働行為であると認定されました。
 今後、正常な労使関係を築くよう努力し、組合費のチェックオフ協定の締結についても全日本損害保険労働組合東京海上支部との協約に留意して、継続協議していきます。






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