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2008年11月17日、中央労働委員会(中労委)は、東京都労働委員会の命令を不服とした東京海上日動火災(会社)の再審査請求を退け、会社の不当労働行為を認定し、即時中止と謝罪文の交付を命じた。これにより、私たちは、契約係従業員切捨て事件における2007年3月26日の東京地裁判決、本再審査請求の原審となった東京都労働委員会での2007年5月23日の命令に続き、会社を断罪する勝利判決・命令を、三たび手にした。不当労働行為は、近代企業にあってはならない違法な反社会的行為である。金融危機が深まり、金融機関の利益至上主義が厳しく批判されるなか、損保トップカンパニーの、この反社会的行為は、我が国金融・保険全体の汚点である。
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この不当労働行為は、東京地方裁判所で断罪され、現在、東京高等裁判所で審理中の外勤社員制度廃止事件と一体の労働者への攻撃である。全損保日動外勤支部(外勤支部)は、2004年10月の東京海上と日動火災合併に先立ち、分裂攻撃を受けて「少数派」とされた後、直後から違法・不当な差別が続けられた。本命令でも指弾されているように、会社は、外勤支部を嫌悪し、弱体化のため、不当労働行為を行ったのである。そして、会社は、この不当労働行為の渦中で、合併1年後の2005年10月、契約係従業員制度の廃止を通告し、強行してきた。この制度廃止により、当時900名以上が働いていた契約係従業員は、大半が会社を放逐され、現在は、裁判で争う原告(控訴審被控訴人)の44人となっている。まさに、労働者の砦である労働組合を破壊し、労働者の雇用をないがしろにするという、極めて異様な攻撃である。
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中労委命令は、ほぼ組合側の主張を認め、「チェックオフ」を通じて会社が奪った「組合費」を他労組に引き渡し、返還請求に応じなかったこと、時間内組合活動、会社施設の利用及び組合費のチェックオフの便宜供与について、不当労働行為と認定し、全損保ならびに外勤支部への文書交付を命じている。会社は、この命令の趣旨を厳しく踏まえ、過ちを認めて組合に謝罪し、直ちに履行し、契約係従業員制度廃止事件についても、当事者の要求を受け入れ、解決の決断をはかるべきである。
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4. |
私たちにとっては、三たびの勝利判決・命令となる。この中労委命令を力に、これまで以上に、会社に対する社会的批判を広げるたたかいを強め、不当労働行為事件、契約係従業員制度廃止事件の、いずれもの解決を何としても手にする決意である。そのために、すでに300万枚の大台を超えた「手渡し&ポスティングビラ」のとりくみをはじめ、全損保内外の力をあわせ、全力でたたかいをすすめていく。
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