支部独立分会代表者会議を開催

賃上げを礎に 職場の歪みを正し
生活を立て直す2025年春闘に

2025年春闘構築にむけて意思統一をはかった支部独立分会代表者会議
2025年春闘構築にむけて意思統一をはかった支部独立分会代表者会議


全体司会の中島副委員長 開会あいさつの西田賃対部長
全体司会の
川崎副書記長

開会あいさつの
長塚賃対部長

 1月25日(土)東京において支部独立分会代表者会議を開催しました。会議には、本部、各支部・独立分会の代表者、友好労組である大同火災海上労働組合、損保料率算出機構労働組合の仲間を合せて22名が参加し、2025年春闘に向け、情勢認識の一致をはかり、春闘の運動方針について論議・確認されました。
 全体会は、川崎副書記長(楽天損保委支部)の進行ですすみ、長塚賃対部長(常任中執・日新支部)の開会あいさつ、友好労組の仲間を紹介した後、佐藤副委員長(損保ジャパン支部)が「私たちをとりまく情勢と2025年春闘方針」を提起しました。

春闘方針を提案する佐藤副委員長
春闘方針を提案する佐藤副委員長

 佐藤副委員長の情勢提起では、ロシアによるウクライナへの侵略戦争と停戦へと動き出したガザ地区での戦闘も先行き不透明ななかで穀物やエネルギーの供給不足と物流の滞りを要因とした世界的な物価高の長期化と各国の金利政策、アメリカで発足したトランプ政権がすすめようとする政策の動向などリスクを抱え不透明さが深まる世界経済の状況を説明しました。日本については、7月〜9月期のGDP改定値がマイナスから脱却し年率換算で1.2%増となり経済が一定回復していることを説明しました。一方で、この間好調であった企業利益が一時的な円高などを要因に7四半期ぶりにマイナスに転じるなかでも、大企業の内部留保が533兆円と過去最高を更新していることを紹介し、「こうした巨額の利益が労働者の賃金に還元されず家計は厳しい状況が続いている」と強調しました。そして、11月の消費者物価指数は2.7%上昇となり、2020年から9%以上も物価が上がっていることから、実質賃金もマイナスから抜け出せないとし、長期化する物価高で苦しむ国民・労働者の状況を各種経済指標から明らかにし、経済政策の課題を指摘しました。そして、石破首相の政権運営については、「少数与党という厳しい状況におかれるなかで、2025年度予算をはじめ、年金改革関連法や政治資金規正法の再改正など重要課題が山積みとなっている」とし、国民の暮らし、平和と民主主義との関係でも、今後の国会審議を十分注視する必要があるとしました。そのうえで、各政策や政府の言動に対して世論調査なども含めて国民が注視している状況を紹介し、「せめぎあいが続く歴史的転換期であり、私たちの声と運動が明日をきりひらく力になることを確信にしなくてはいけない」と訴えました。  こうしたなか迎える春闘情勢について、11月の政労使会議で石破首相が「今年の春闘の勢いで大幅な賃上げの協力をお願いする」と述べ、これに対し経営側も「賃上げの勢いを社会全体に波及させ、定着させることが社会的責務」と応えていることを紹介したうえで、各労働組合の具体的な要求額を説明し、大幅賃上げの必要性を強調しました。
 損保の状況について、政策保有株式の売却も利益を大きく押し上げ、大手3グループが通期の純利益見通しを上方修正していると説明したうえで、火災保険の収支改善は思うようにすすまず、自動車保険も含めて本業の業績が停滞している状況説明しました。そのうえで、事業環境について、「既存市場の縮小や技術革新に伴うビジネスモデルの変化など、これまで経営が注視していた要因に加えて、ウクライナ危機や先行き不透明な中東情勢による経済停滞、長期化する物価高の動向、より一層スピードが求められるデジタル化への対応など、従来とは次元の異なる課題を抱え不透明さを増していることから、損保経営の危機感はさらに強まっている」としました。加えて経営には、「保険料の事前調整」をはじめとした諸問題への対応、これまでのマーケットシェアを重視した政策の見直しも求められているが、そうしたなかでもなお中小社も巻き込んで「収益力の強化」をめざした「合理化・効率化」と労働生産性を追求する動きを、各社の具体的な政策にふれながら説明しました。そして、この「収益力の強化」を第一義とし顧客を置き去りにする経営姿勢が損保の信頼を失う問題となって表れているとし、「損保産業の社会的信頼が損なわれている今、損害保険の社会公共性に照らして問題の本質を洗い出し、課題解決をはかることで健全な産業としての信頼を取り戻さなければいけない」と強調しました。
 こうした歪んだ経営政策が職場に歪みをもたらしているとし「その政策すべてが事業費削減に結びつき、損保産業の社会的役割が歪められ、働くものの誇りと働きがいの向上にはつながっていない」と指摘し、こうした過当競争のもとで、職場には不安や不満が広がる一方で、「何とかしてほしい」とする声とともに、74.6%の組合員が「昇給の確保・賃金水準の引き上げ」を求めているアンケート結果を紹介しました。
 そして、本部オルグ、賃金討論集会や「地域組合員との意見交換会」など、組合員が集まり語り合い、物価高による生活の厳しさも含めて職場の実態や思いを共有してきた秋のたたかいでの運動の前進を紹介しました。そのうえで2025年春闘について、「労働に見合っていない賃金を引上げ、生活を改善するとともに、損保に働く者の誇りと働きがいを取り戻すためにたたかう春闘となる」とし、そのためにも「全体で知恵と工夫を出し合い、『集まること』の大切さを忘れずいつも意識し、現実的に組合員と対話する努力を実践する」ことの重要さを強調しました。そのうえで、賃上げを柱とした要求を掲げ、主張を束ねて団結を強化し、確信をもってたたかう春闘と位置付け、昨春闘に引続き要求水準を明記した「統一基準案」、闘争スケジュールなど具体的な春闘構築について提起しました。

 これを受けて2班に分かれて分散会をおこない、情勢認識を深めながら、各支部・独立分会の代表者が、それぞれの要求論議の状況と職場実態を踏まえて、春闘に向けたとりくみを報告し合い、統一基準を柱とした全損保統一闘争、春闘における主要課題への意思統一がはかられました。

分散会1班 分散会2班
分散会で活発に意見交換

討論をまとめる及川書記長 閉会あいさつの禹副委員長
討論をまとめる
及川書記長

閉会あいさつの
禹副委員長

 その後の全体会では、大同労組、損保料率機構労組の代表からのあいさつ、及川書記長による討論のまとめがおこなわれ、2025年春闘アピールが採択され、禹副委員長(Chubb Japan支部)の閉会のあいさつと団結ガンバローで締めくくられました。

 全損保では、この討論を受け、各支部・独立分会が2025年春闘の要求・課題を確立する論議をすすめ、3月12日に開催する全損保第91回定期全国大会で春闘方針を確立し、要求実現に向け、たたかいに入ります。




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