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2026年春闘構築にむけて 情勢認識を深め意思統一 要求討議のスタートに位置づけ賃金討論集会を開催 |
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12月6日、東京で賃金討論集会を開催しました。この集会は、例年、春闘構築のスタートにあたって、とりまく情勢への認識を一致させ、各支部・独立分会が抱える課題を共有し合い、要求討議のスタートの場に位置づけ開催しています。集会には、リモートでの参加者も含めて、全損保各組織の賃金対策部を中心に友好労組である大同火災労組、損保料率機構労組の代表者32名(うちリモート6名)が参加しました。
講演では、前半で日本における長期的な賃金停滞を振り返り、後半で賃金とは何であるのか原点に立ち返りながら、労働組合の必要性について説明を受けました。 まず、日本の賃金上昇率が主要先進国のなかで低く抑えられていることについて、1991年を100として2020年まで各国の賃金がどのように上昇してきたのかをグラフを使って紹介し、「アメリカは名目賃金が287.7、実質賃金が146.7まで上昇しているのに対し、日本は名目賃金で111.4、実質賃金は103.1とほぼ横ばいとなっている」と指摘しました。そのうえで財界が求めてきた労働生産性の向上と賃金の関係について「先進各国では、労働生産性の向上とともに賃金が上昇してきているのに対し、日本だけは労働生産性が上がっても賃金が上がっていない」としました。
新自由主義政策のなかで用いられた「大企業・富裕層を優遇すればより多くの富が生み出され、富は全体に「滴り落ちる」とした“トリクルダウン理論”について、「いくら大企業が儲けても、その儲けは内部留保や株主配当金につぎ込まれ、労働者には“滴り落ちていない”」とその欺瞞性を指摘し、財界が利益の最大化を追求するために“労働者=コスト”を削ってきた経過を詳しく説明しました。 こうしたなかで“賃金”について、その原点を解説しました。“賃金”の土台として、○憲法第25条(生存権)「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」、○労働基準法第1条「労働条件は、労働者が人たるに値する生活を営むための必要を充たすべきものでなければならない」、○最低賃金法第3条(最低賃金の原則)=労働者の生計費、類似の労働者の賃金、通常の事業の賃金支払い能力、をあげ、「“賃金”は、肉体的・精神的に健全な状態を維持し継続するものでなければならず、労働力の再生産費用としての賃金でなければならない」と強調しました。そのうえで属人的手当の廃止や成果主義賃金の導入がもたらしている問題点、生活保護と連動する最低賃金の重要性などを説明しました。 最後に、最低限の生活を保障する最低賃金と人間らしい生活=尊厳ある生活を求める生活賃金(Living Wage)の違いを説明したうえで、「人間らしい生活を土台とするLiving Wageという考え方については、国連などが国際規範にする動きを始めているが、現段階で法的拘束力は無い。だからこそ労働組合が要求して実現していかなければならない」と労働組合として要求し交渉することの重要性を強調しました。そして、「『みんなは一人のために、一人はみんなのために』という労働組合の精神と存在意義を再確認して頑張って欲しい」と春闘にむけて参加者に呼びかけました。 講演後の質疑では、宮ア先生の専門であるアメリカ経済や対話を大事にするアメリカの労働運動などについても認識を深めました。 続いて、浦上委員長が「2026年春闘構築に向けて、要求討議のすすめ方」を提起しました。そのなかで、実質賃金が下がり続けているなか、各支部・独立分会の努力で築いた2025年春闘の成果と到達点を確認しました。
その後、2班に分かれて分散会が行われました。分散会では、講演を受けての感想と全体情勢に対する意見を出し合ったうえで、各社の経営政策や職場における問題点、これまでの春闘や各種制度改定におけるとりくみなどに関し、率直に意見や悩みが出され、情報の共有がはかられました。 分散会終了後、まとめの全体会が行われ、友好労組からあいさつを受けました。
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