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第92回定期全国大会で2026年度運動方針を確立
運動の前進にむけてすべての議案を可決
運動の前進にむけてすべての議案を可決


開会のあいさつ 佐藤副委員長 議長の米沢谷さん(日動外勤)
開会のあいさつ
佐藤副委員長
議長の米沢谷さん
(日動外勤)
 9月17日、東京都千代田区にあるエデュカス東京で、全損保第92回定期全国大会が開催されました。
 大会は、議長に米沢谷さん(日動外勤)を選任した後、全国労働組合総連合議長の秋山正臣氏、全国金融共闘より全国金融労働組合連合会の伴邦雄氏、保険共済労組懇談会を代表して全国生命保険労働組合連合会中央副執行委員長の阪本裕実子氏、友好労組から損害保険料率算出機構労働組合執行委員長の安永和史氏、大同火災海上労働組合の金城勇哉氏からあいさつを受け、一般経過報告・採決を行った後、議案審議に入りました。

2026年度運動方針を提案
2026年度運動方針を
提案


 2026年度運動方針の提案は、中央執行委員会を代表して浦上中央執行委員長がおこないました。
 提案では、ウクライナや中東での戦争拡大がもたらす未曽有の事態によって先行きが混沌とする世界経済について、物流の滞りと資源の高騰が物価高をもたらし、企業業績や市民生活へ多種多様な被害を与え、先進国と新興国・発展途上国での格差拡大と貧困がもたらされている現実を指摘しました。
 日本では、歴史的な円安、インバウンドの増加などを背景に、4月から6月期の全産業の経常利益が四半期ベースで過去最高を更新し、内部留保も過去最大を記録するなど、大企業が莫大な利益を挙げている状況を説明しました。一方で、物価高が長期化し、春闘における賃上げがその水準に達していないことから実質賃金が伸びず、国民・労働者の暮らしが圧迫され個人消費が停滞している状況を説明しました。そのうえで、「企業利益が過去最大と言われても、国民・労働者には景気回復の実感はない」と問題指摘しました。さらには、コロナ禍対応の「ゼロゼロ」融資の本格返済や物価高を価格に転嫁しづらい中小零細企業の経営はますます厳しくなっているとしたうえで、「優先すべきは、大企業優先の経済政策ではなく、適切な財政出動をおこない、物価上昇で苦しむ国民の生活を救い、少しずつでも景気の回復が実感できるような人間を大切にする経済政策が求められている」と訴えました。
 そして、自公政権のすすめてきた政治について、「物価高に苦しむ国民を救い不安を解消する具体的な施策がほとんどない」とし、「自民党の裏金問題」に対し説明責任を果たさない政府の姿勢が参議院選挙での与党過半数割れの結果に表れたとしました。また、防衛費の増強をすすめる一方で、崩壊が懸念される医療体制の整備やケア労働者の処遇改善をおこなわず国民の不安に応えない政治のあり方を指摘しました。また、改憲動向を強め、殺傷兵器の輸出を可能にするなど、平和と民主主義を破壊する動きが強まっていることを訴えました。そのうえで、「国民の不安や思いに背を向け、平和と民主主義を破壊していく方向に向かっている政治を変えていくためには私たちの声と行動を強めていくことが必要だ」と強調しました。
 一方で、多くの市民が「反対」の声をあげ行動が広がっていることを紹介し、「こうした動きは、いまを変える歴史的な変化が現実のものとなっていることの表れ」とし、自らの声と力を強めていく必要性を強調しました。
 損保情勢では、自然災害や自動車事故の増加とともに、工賃などの値上がりによる保険金単価の上昇などによって、全社的に本業の業績が思うように伸びない一方で、政策株式の売却を一気にすすめる大手グループの純利益が過去最高となった決算状況を説明し、本業の収支悪化への対応としてすすめられる保険料の引き上げによって消費者へ負担を強いていると説明しました。また、事業環境の先行きに危機感を強める損保経営は、一連の不祥事によって、これまでのマーケットシェアを重視した政策を見直さざるを得ない状況のなかでも、変わらずに「収益力の強化」をめざした政策をすすめているとし、生産性を高めることを主眼とした「合理化・効率化」施策にふれました。そのうえで、損保の信頼が損なわれた一連の不祥事への対応として金融庁がすすめる保険業法の一部改正、金融庁の監督指針見直しの具体内容にふれ、「こうした変化は、損保産業のあり方とともに、働き方や業務内容にも大きく影響することが想定されており、産別の労働組合として働くものの声を大事にとりくんでいく必要がある」と強調しました。また、あいおいニッセイ同和と三井住友海上が合併を発表したことについては、「今後、合併の具体内容が公になっていくことになるが、議案の方針に沿って、すべての支部・独立分会が当該支部組合員を支えるために協力してこう」と訴えました。
 2025年度の運動については、5年ぶりに開催した西日本のつどいや本部オルグ、「地域組合員との意見交換会」など、リモートを活用しながら地域組合員との接点を絶やさず、「人が集まって語り合う」場の大切さを忘れずに全体の協力と工夫ですすめた具体的な運動を紹介し、1年を振り返りました。
 最後に、「次年度も人が集まって語り合う場の大切さをいつも忘れず、みんなで協力し合いながら運動をすすめていこう」と運動の前進を呼びかけました。

討論をまとめる久保田常任中執 閉会のあいさつ 禹新書記長
討論をまとめる
久保田常任中執

閉会のあいさつ
禹新書記長

 その後の審議では、中執、代議員、オブザーバー計22名が発言しました。発言は、企業収益、「合理化・効率化」、労働生産性の追求が主眼におかれるもとでも、一連の不祥事への対応に奔走する各社政策の問題点や矛盾、期中退職者の増加や合併を控え多様な不安が生じている実情など、職場の歪みや矛盾、被害が報告されるとともに、納得のもてる到達点を築いた2025年春闘、平和のとりくみや「集まり語り合う」場の大切さと全損保が持つ良さと役割の重要性が語られ、知恵を出し合いながらすすめた運動の前進面を確認し合い、あらためて企業や職場の違いをこえて「集まり、話し合い、励まし合える」全損保の大切さが確信となりました。
 討論のまとめを久保田常任中執がおこなった後、2026年度運動方針以下すべての議案を確立(議案第1号から6号は全会一致、議案7号は代議員14名の投票で賛成12名、保留2名)し、「秋のたたかいを意気高くとりくむ決議」、大会スローガンの採択、新年度役員を選出し、新たな年度の運動をスタートしました。

団結の決意をこめて
団結の決意をこめて






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