いっそうの賃上げ 傷む賃金を正し
苦しさ増す生活を直す
ともに確信をもってたたかう

2024年春闘本部オルグを東京で開催
会場、オンラインで58人が参加
会場、オンラインで58人が参加


 2月21日、東京で2024年春闘本部オルグを開催しました。今回も秋の本部オルグ同様、地方の組合員もリモートで視聴することも呼びかけ、会場34人、オンライン24人の合計10支部1独立分会から58人が参加しました。

 オルグは及川書記長がオルガナイザーを務め、すでに職場に提案している春闘方針について、「第89回定期全国大会議案」、議案を補足する「機関用討議資料」を活用して、とりまく情勢とともに説明をおこないました。
 オルグの中で及川書記長は、長期化するウクライナ危機のもとで生じている歴史的な物価高と、それを抑えるための政策金利の引上げがもたらす世界経済が停滞する様相、日本では、大企業を中心に過去最高益となり内部留保も511兆円と過去最大規模になる一方で、労働分配率が過去50年で最低レベルとなり、長期化する物価高も相まってすすむ実質賃金の低下による将来不安が個人消費を冷え込ませている経済政策、国民の期待に応えず、防衛費の増額や「政治とカネ」の問題など、国民軽視ですすめる政治の問題点、平和と民主主義を破壊する動向、春闘に対する財界の姿勢などを説明しました。
 損保の状況については、通期決算で過去最高益を見通す大手3グループの決算状況を説明したうえで、既存市場の縮小や自然災害の発生懸念などこれまで経営が注視していた要因に加え、不透明なコロナ禍の動向、ウクライナ危機の長期化による経済停滞、スピードが求められるデジタル化への対応などの課題を抱え、「企業規模の大小を問わず、経営の危機感はさらに強まっている」と指摘しました。こうした危機感が大手社におけるマーケットシェアの競い合いや、海外事業、新規事業領域の推進による収益拡大をめざす動きにつながり、「合理化・効率化」、労働生産性を追求することで損保の社会的役割が歪められ、働くものの誇りと働きがいの喪失を生んでいる職場状況を具体的に説明しました。また、こうした経営姿勢が、大手4社による「保険料調整」やビッグモーターにかかわる一連の事態となって表れているとし、「補償機能の発揮という損害保険の社会的役割に照らして問題の本質を洗い出し、課題解決をはかることで健全な産業として社会からの信頼を取り戻す必要がある」と強調しました。
 そのうえで「2024年春闘生活と労働条件に関するアンケート」における組合員の声や実態を紹介し、「労働に見合っていない賃金を引上げ、生活を改善するとともに、損保に働く者の誇りと働きがいを取り戻すために春闘をたたかうことが求められている」とし、統一基準、たたかいのスケジュールを説明しました。

 参加者からは、職場の実態、不安や疑問が語られ、「集まって話し合う」ことの大切さがあらためて認識され、これから始まる春闘を、賃上げによって生活を改善し、職場や産業を健全にするたたかいにする意思統一がはかられ終了しました。

 2024年春闘は、「いっそうの賃上げ 傷む賃金を正し、苦しさ増す生活を直す ともに確信をもってたたかう」をスローガンに、いま最も求められる要求と課題を掲げ、地域で仲間が集まる場もつくりながら、一人ひとりの思いにたって、職場からたたかっていきます。


参加者の感想から
現在、生活に余裕がなくなってきて、購買意識が本当になくなってきている。営業なので頑張って収入を上げても、物価高で経費がかかり生活が苦しい……、おかしなループにはまっている。賃金を上げなくては、生活が豊かになるどころか、これから先のことも考えられない。オルグを聞いて、コロナ禍で集まることができなかったが、あらためて結集が大切だと思いました。
要求を続けることによって時間はかかるが変えられると聞き、諦めずに要求していこうと思いました。
各社ごとに問題点は違えども、いかに働きやすく生活改善ができるようにしたいという思いは同じであり、春闘にむけとりくむ姿勢が強いと思いました。組合員一人ひとり同じ思いが必要だと思いました。ベースアップも何年もかけて勝ちとったりしているので、継続が大切だと思いました。
会社政策は、顧客、代理店、従業員の意向を無視していることが討議資料を読み、オルグを聞いて同感でした。2024年春闘では、職場の声をもとに主張し団結して挑みたいと思いました。
社会に役立つ損保! 今回、能登半島地震後に現地に行かれた話を聞いて心に残った。組合は大変と思わず、フランクに集まれる場所、職場の事が言えるが必要だと感じた。
それぞれの会社の問題点、課題はどの会社にも共通して言える事であり、業界全体に関わる事であると再認識しました。より良い業界にしていかなければ、社会公共性も保たれないと危機感を持ちました。
ずっと働いていると、転職せずここで働く選択をしているのは自分だからしょうがない、こんなもんだといった気持ちになって、疑問や不満を持つことや考えることを止めてしまいがちですが、労働組合はそこで働く従業員の声や実態に基づく運動であり、そうだからこそ、従業員一人ひとりが社会情勢や損保業界の動向を知り、現在の働き方が本当に正しいのかどうか、疑問を持つことが必要なのだと感じました。



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