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新年のごあいさつ 「集まって話し合う」ことの 大切さを忘れずに 運動を前進させる |
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2024年1月 全損保中央執行委員長 浦上 義人
新年あけましておめでとうございます。 このたびの能登半島地震により被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。 皆様の安全と、生活が1日も早く平穏に復することをお祈り申し上げます。 約4年にわたるコロナ禍では、私たちがこれまで経験したことのない日常生活、働き方を強いられ、様々な不安を抱えることになりました。そして「人が集まって話し合う」ことが最も大切な労働組合の活動に大きな影響を与えました。リアルに集まることが難しいなかリモートを活用した「地域組合員との意見交換会」を開催することでそれぞれの職場実態や課題、悩みなどを出し合い、情報交換をすることで組合員との接点を絶やさず運動をすすめてきました。昨春以降は、コロナ禍が一定落ち着いてきたこともあって、各地域でリアルに集まって話し合う場に戻すことで運動を前進させてきています。 情勢をみると、ロシアのウクライナへの軍事侵攻、イスラム組織ハマスとイスラエルの軍事衝突では、多くの尊い命が失われています。また、こうした戦争も背景に、歴史的な物価高騰も続いており、世界中の市民生活に大きな影を落としています。日本では、大企業の業績は堅調となっていますが、その利益は内部留保として溜め込まれ500兆円を超えています。一方、コロナ禍と物価高騰は、中小零細企業の経営を圧迫し、実質賃金が下がり続け家計を直撃するなど、国民の将来不安は広がっています。 損保では、事業環境の先行きが不透明ななか経営の危機感が強まるもとで、大手グループはマーケットシェアを競い合いながら収益拡大をめざしています。中小社もこうした競争に巻き込まれ、各社の政策すべてが「収益力の強化」をめざしたものとなっており、「合理化・効率化」、労働生産性を追求する動きも強まっています。こうした経営政策が、保険料の事前調整やビッグモーターにかかわる一連の問題につながっています。これらの問題は、2005年頃に生じた「保険金の一部不払い」問題と同様に、損保産業の信頼を損なう事態であり、損保に働く者として重く受け止めなければなりません。あらためて損害保険の社会公共性に照らして反省し、構造的な問題など本質を見極め、課題を解決することで健全な産業を取り戻し信頼回復することが求められています。 そして、コロナ禍を契機に始まった在宅勤務などテレワークでは、職場や上司による対応のばらつき、職種や業務によってはこうした働き方が馴染まず逆に非効率になっており、職場における人間関係やコミュニケーションが不足するという課題も明らかになっています。このように職場では、各社がすすめる政策によって働く仲間の雇用や生活、権利、労働条件に影響を及ぼし、働く者の誇りと働きがいの喪失、「不安」の増大につながる懸念があります。 このようななか迎えた2024年は、何よりも国民や働く者の声や願いが優先される1年にしていかなければなりません。そのためにも、働く者が声をあげ、労働組合をいかして運動をすすめていくことが求められています。昨年全損保の運動は、コロナ禍前と同規模・内容までには至りませんでしたが、「人が集まって話し合う」ことの大切さを忘れずに、コロナ禍の動向には細心の注意をはらいつつ、リモートも活用するなかで、地域組合員が集まり話し合う場としての意見交換会、オルグ、サマージャンボリーやバーベキューなどのレクリエーションを通じて着実に運動を前進させることができたと確信しています。 今年も、企業や職場の枠をこえて「集まり、話し合い、励まし合える」良さを大切さに、可能な限り対面で地域の組合員との接点をもちながら、すべての組合員が全損保へ結集することを土台にして、産業別単一組織の良さと役割、機能をいかし、損保に働く仲間が安心して働ける職場をめざして運動をすすめていきます。私も念頭にあたってこの労働組合の先頭に立ち、奮闘していく決意を新たにしています。 今年は、昨年以上にみなさんにとってより良き1年となることを祈念して新年のごあいさつとします。
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