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要求討議のスタートに位置づけ賃金討論集会を開催 2024年春闘構築にむけて情勢認識を深め 意思統一 |
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11月23日、東京で賃金討論集会を開催しました。この集会は、例年、春闘構築のスタートにあたって、とりまく情勢への認識を一致させ、各支部・独立分会が抱える課題を共有し合い、要求討議のスタートの場に位置づけ行なっています。集会には、リモートでの参加者も含めて、全損保各組織の賃金対策部を中心に友好労組である大同火災労組、損保料率機構労組の代表者36名(うちリモート7名)が参加しました。
長塚本部賃対部副部長(日新支部)の進行で始まった集会は、まず「日本の賃金はなぜ上がらないのか、どうすれば上がるのか」と題し、労働政策研究・研修機構 特任研究員の呉学殊(おうはくすう)さんから講演を受けました。
そのうえで、「労使コミュニケーション」の重要性について中小企業へのアンケート調査の結果から説明しました。 アンケートは、社長の労使コミュニケーションに対する基本方針を、A「企業は一般従業員の意向や要望を十分に把握して経営を行うべきだ」、B「経営は経営者が行うもので経営について一般従業員にあえて聞く必要はない」に分け、Aに近い社長を「肯定型」、Bに近い社長を「否定型」として、経営資源性の発揮度を比較しています。経営危機の克服状況では、「経営危機が悪化している」が「肯定型」4.1%、「否定型」21.2%、「職場の雰囲気」では、「社員がいきいきと働いている」が「肯定型」79.7%、「否定型」67.2%、「過去5年間の自己都合退職率」では、「肯定型」2.9%、「否定型」12.6%などのデータから「肯定型」の企業では、労使コミュニケーションの基本要件である、社長の決断、経営情報の完全公開、権限移譲、相互尊重、相互信頼が高くなり、生産性が上がっていることを明らかにしました。 そして、韓国で30人以上の企業・事業所に義務付けられている「勤労者参与および協力増進に関する法律」(勤参法)の導入による効果として、「企業経営の透明性」、「労働者の参加性」、「労働者の主体性」、「労働者の納得性」の「4つの性」が確保され、緊張感のある労使関係が築かれていることによって企業の生産性が向上し賃金を引き上げていると紹介しました。 結論として、@労使関係の対等性が確保されていない、A労働組合の集団力の低発揮、によって日本の賃金が上がっていないことから、労使関係の対等性を確保することで日本の賃金は上がっていくとし、@労働組合の組織化・組織拡大、労働協約の拡張適用の拡大、A労働組合の労働三権(団結権、団体交渉権、団体行動権)のフル行使、B従業員代表制の法制化(例:韓国の勤参法)・労使コミュニケーションの経営資源性の発揮、C雇用関係の高度化(労働者の主体性の発揮、創意工夫、高いモチベーションなど)が求められているとしました。 最後に、要求討議をスタートする全損保に対し、「全労働者の賃金を1%上げることで生産額は約2.2兆円上がることになります。今、『労働組合がんばれ』とエールを送られている国は日本しかありません。春闘では真の意味で労使対等を土台に賃上げを勝ちとってください」とエールを送りました。講演後の質疑では、日本と韓国の企業経営の違い、韓国の労働組合のたたかいなどについても認識を深めました。
引き続き、共栄支部、日新支部、セコム損保支部、楽天損保支部から、2023年春闘の経過と到達点、12月臨給闘争、2024年春闘にむけた課題や職場状況、その背景にある経営政策が報告されました。
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