支部独立分会代表者会議を開催

今こそ賃上げ 主張を束ねて団結を強め、
確信をもってたたかう 2023年春闘に

2023年春闘にむけて意思統一をはかった支部独立分会代表者会議
2023年春闘にむけて意思統一をはかった支部独立分会代表者会議


全体司会の佐藤副委員長 開会あいさつの西田賃対部長
全体司会の
佐藤副委員長

開会あいさつの
西田賃対部長

 1月21日(土)スペースまる八にて、支部独立分会代表者会議を開催しました。会議には、本部、各支部・独立分会の代表者、友好労組である大同火災海上労働組合、損保料率算出機構労働組合の仲間を合せて27名が参加し、2023年春闘に向け、情勢認識の一致をはかり、春闘の運動方針について論議・確認されました。

 全体会は、佐藤副委員長(損保ジャパン支部)の進行ですすみ、西田賃対部長(常任中執・共栄支部)の開会あいさつ、友好労組の仲間を紹介した後、浦上委員長が、「私たちをとりまく情勢と2023年春闘方針」を提起しました。

春闘方針を提案する浦上委員長
春闘方針を提案する
浦上委員長

 浦上委員長は、長期化するコロナ禍とウクライナ危機のもとで、穀物やエネルギー価格の高騰を要因に世界各国で歴史的な物価高となり、物価高を抑えるために進められる政策金利の大幅な引き上げが景気後退をもたらし、企業業績や市民生活、労働者の雇用へ多様な影響を与え、世界経済の先行きが混沌としている状況を説明しました。日本については、7月〜9月期のGDPが年率換算で0.8%減となり、貿易収支が2022年の累計で約20兆円の赤字となるなど、経済が減速していることを説明しました。そうしたなかでも、7月〜9月期の企業の経常利益が前年同期比18.3%増加し、直近1年間の累計でコロナ禍前に比べて25%増加する一方で、人件費や設備投資がマイナスであることを紹介し、「企業が稼ぎ出す利益は500兆円を超える規模となった内部留保として溜め込まれ、人件費や設備投資には回っていない」と強調しました。また、12月の消費者物価指数が4.0%まで上昇し、実質賃金が8ヵ月連続でマイナスとなっているとし、コロナ禍と物価高で苦しむ国民・労働者の状況を各種経済指標から明らかにしました。さらには、財務リスクが高まり金融システム自体のひずみが懸念される日銀の金融緩和策の行き詰まりなど、経済政策の課題を指摘しました。そして、コロナ対応で国民の期待に応えず、防衛費の増額や増税、安保関連3文書の改定、原発再稼働などの重要政策を国会軽視ですすめ、改憲動向を強める政治の動向に対する問題意識と危険性を説明し、「今の政治の流れは、国民の不安や思いに背を向けていると言わざるを得ない」と強調しました。一方で、コロナ対応も含めた政治課題、説明責任を果たさない政府の姿勢に「NO!」の意思を示している国民が多くいることを紹介し、「せめぎあいが続く歴史的転換期であり、私たちの声と運動が明日をきりひらく力になることを確信にしなくてはいけない」と訴えました。
 損保の状況について、国内外での自然災害の影響や交通量の増加による保険金支払いの増加によって増収減益となっている9月期の決算内容を説明しました。そのうえで、事業環境について、既存市場の縮小や大規模自然災害の発生懸念など、これまで経営が注視していた要因に加えて、不透明なコロナ禍の動向、ウクライナ危機の長期化による経済停滞、スピードが求められるデジタル化への対応など、「従来とは次元の異なる課題を抱えて不透明さを増している」とし、損保経営の危機感がさらに強まり、春闘においても、引き続き厳しい出方が想定されることを指摘しました。そして、大手社におけるマーケットシェアの競い合い、海外事業、新規事業領域の推進による収益拡大の状況とともに、中小社も巻き込んで「収益力の強化」をめざした「合理化・効率化」、労働生産性を追求する動きの強まりを、各社の具体的な政策にふれながら説明しました。また、職場ごとに運営がばらつきコミュニケーションが不足するテレワークの問題点、いまだに「マンパワー」で乗り切ろうとしている災害対応なども含めて、「その政策すべてが事業費削減に結びつき、損保産業の社会的役割が歪められ、働くものの誇りと働きがいの向上にはつながっていない」と指摘し、こうした過当競争のもとで、職場には不安や不満が広がる一方で、「何とかしてほしい」とする声とともに、72.3%の組合員が「昇給の確保・賃金水準の引き上げ」を求めているアンケート結果を紹介しました。
 こうした状況のなか迎える2023年春闘では、「コロナ禍でとりくみに制約がかかることは避けられず、労働組合として春闘をたたかうにあたって最も大切な団結をつくることに困難さが生じている」としたうえで、感染対策を徹底しリアルで集まった本部オルグや、リモートを使った「地域組合員との意見交換会」など秋のたたかいでの運動の前進を紹介し、「知恵と工夫を出し合い、『集まること』の大切さを忘れずいつも意識し、現実的に組合員と対話する努力を実践する」ことが春闘をたたかう土台だと強調しました。そのうえで、賃上げを柱とした要求を掲げ、主張を束ねて団結を強化し、確信をもってたたかう春闘と位置付け、23年ぶりに水準を示す「統一基準案」、闘争スケジュールなど具体的な春闘構築について提起しました。

分散会で活発に意見交換 分散会で活発に意見交換
分散会で活発に意見交換


討論をまとめる及川書記長 閉会あいさつの中島副委員長
討論をまとめる
及川書記長

閉会あいさつの
中島副委員長

 これを受けて2班に分かれて分散会をおこない、情勢認識を深めながら、各支部・独立分会の代表者が、それぞれの要求論議の状況と職場実態を踏まえて、春闘に向けたとりくみを報告し合い、統一基準を柱とした全損保統一闘争、春闘における主要課題への意思統一がはかられました。
 その後の全体会では、大同労組、損保料率機構労組の代表からのあいさつ、及川書記長による討論のまとめがおこなわれ、2023年春闘アピールが採択され、中島副委員長(日本興亜支部)の閉会のあいさつと団結ガンバローで締めくくられました。

 全損保では、この討論を受け、各支部・独立分会が2023年春闘の要求・課題を確立する論議をすすめ、3月15日に開催する全損保第87回定期全国大会で方針を確立し、要求実現に向け、たたかいに入ります。






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