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2023年度運動方針を確立 全損保らしさをいかし、 働く仲間の声と思いから すべての運動をすすめよう 全損保第86回定期全国大会を開催 |
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日本では、新規感染者数が過去最高を記録するなかでも、全国的な行動制限が行われていないことから、企業業績は堅調となり、内部留保が初めて500兆円を突破するなど、GDPが増加している状況を説明しました。一方で、世界と同様に、物価上昇が顕著となり、食料品などの生活必需品や、電気や都市ガスなどエネルギー価格が上昇するなかでも、大企業が生み出す利益が「人への投資」に回らず、春闘における賃上げは物価上昇に追いついていないことから、実質賃金は目減りし、国民・労働者の暮らしが圧迫され個人消費が伸び悩んでいる状況を説明しました。そのうえで、先進諸国と比べて日本だけが物価上昇に賃金上昇が追いついていないことを各種指標から紹介し、「GDPが増加していると言われても、国民・労働者には景気回復の実感はない」と問題指摘しました。さらには、日銀の資金繰り支援が9月末で終了することから、中小零細企業の経営はますます厳しくなるとしたうえで、「優先すべきは、大企業優先の経済政策ではなく、適切な財政出動をおこない、物価上昇で苦しむ国民の生活を救い、少しずつでも景気の回復が実感できるような人間を大切にする経済政策が求められている」と訴えました。 そして、「アベノミクス」を踏襲し、経済回復を優先させ、東アジア情勢を理由に防衛費増強の必要性を強調する一方で、崩壊が懸念される医療体制の充実やケア労働者の処遇改善を行わない政治のあり方を指摘しました。また、改憲動向を強めるなど平和と民主主義を破壊する動きが強まっていることを訴えました。さらには、巨額の財政を支出する安倍元首相の国葬や旧統一教会との関係などに対して、国民が納得できる説明をおこなわず、説明責任をはたそうとしない岸田政権の政治姿勢への問題意識を強調しました。 一方で、多くの市民が「反対」の声をあげ行動が広がっていることを紹介し、「こうした動きは、いまを変える歴史的な変化が現実のものとなっていることの表れ」とし、自らの声と力を強めていく必要性を強調しました。 損保情勢では、大手3グループで過去最高益を更新するなど、全社的に業績が好調となっている一方で、火災保険の収支悪化で、保険料の引き上げ、実質的な引き上げとなる5年超の長期契約廃止、免責金額の引き上げがおこなわれるなど、消費者へ負担を強いていると説明しました。事業環境の先行きについては、既存市場の縮小などこれまで経営が注視していた要因に加えて、不透明なコロナ禍の動向、ウクライナ危機の長期化による経済停滞、スピードが求められるデジタル化への対応など、従来とは次元の異なる課題を抱えていることから、不透明さを増しており、経営の危機感は企業規模を問わずさらに強まっているとしました。そうした危機感のもとで、顧客囲い込みによるマーケットシェアの競い合い、業務の効率化によって労働生産性を追求する大手経営の姿勢と施策にふれ、「中小社も競争に否応なく巻き込まれ、損保各社の政策すべてが収益力の強化をめざしたものとなっている」としました。また、コロナ禍を契機とした働き方の急変では、職場、職種による対応のばらつき、業務に慣れていない若手社員への影響などを説明したうえで、「経営の職場運営方針が定まっていないなかでも、『労働生産性を高める』ことを主眼に環境整備が不十分なまますすめられている」と問題指摘し、「私たち労働組合は、会社責任で働きやすい環境整備を求めていくことはもちろん、不安を抱える組合員の声を大切にとりくんでいく必要がある」と訴えました。 2022年度の運動については、コロナ禍前の水準にまでは至らなかったとしつつ、感染対策を徹底するなかで、リアルに組合員が「集まって語り合う」場の開催、リモートを活用しておこなった「地域組合員との意見交換会」など、全体の協力と工夫で開催した具体的な運動を紹介しました。そのうえで「『今、できることは何なのか』ということに悩みながらも、工夫し合えば運動を前進させることができる確信を持つことができた1年となった」と振り返りました。最後に、「人が集まって語り合う場の大切さをいつも忘れず、みんなで協力し合いながら運動を前進させていこう」と運動の前進を呼びかけました。
討論のまとめを及川書記長が行った後、2023年度運動方針以下すべての議案を全会一致で確立し、「秋のたたかいを意気高くとりくむ決議」、大会スローガンの採択、新年度役員を選出し、新たな年度の運動をスタートしました。
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