新年のごあいさつ

「人が集まって語り合う」ことを大切に
全損保らしく運動をすすめる

2022年1月 全損保中央執行委員長 浦上 義人

 新年あけましておめでとうございます。
 一昨年から続く新型コロナウイルス感染症の拡大は、ワクチン接種の普及によって沈静化するかに思えましたが、感染力が強く重篤となる危険性の高いオミクロンなど変異種の出現も相次ぎ欧州を中心に再拡大しています。こうしたことから、人流の制限がくり返され、全世界の経済回復は遅々としてすすんでいません。日本では、ワクチン接種もすすんだことも要因に現在は感染者が少なくなっていますが、乾燥する季節に入り再度まん延する危険性もあって予断を許さない状況は続いています。こうした状況のなかで、業績が好調な業種もありますが、業種・企業間格差が拡大し、個人消費の伸び悩みなどから全体としては景気の回復はすすまず、企業経営、自治体財政、雇用にも大きな影を落としています。このように昨年は、国民の生活不安がますます高まった1年でした。

 損保では、大規模自然災害による保険金支払いの増加、再保険料率の上昇によって火災保険などで収支は悪化していますが、コロナ関連で支払いが増加していた海外のイベント保険や利益保険の支払額減少、自動車事故の減少などによって、各社の業績は回復してきており2021年度の中間決算では、大手グループが過去最高益となっています。しかし、新型コロナウイルス感染症による経済停滞の長期化、スピードを求められるデジタル化への対応などもあって、事業環境の先行きは不透明さを増しており、損保経営の危機感はさらに強くなっています。そのもとで、大手グループは、国内でマーケットシェアを競い合い、海外事業や新規事業領域を推進することで収益拡大をめざしています。中小社もこうした競争に巻き込まれ、各社の政策すべてが「収益力の強化」をめざしたものとなっており、「合理化・効率化」、労働生産性を追求する動きも強まっています。また、新型コロナウイルス対策として、各社では出社率を制限するためにテレワークがすすめられていますが、環境整備がすすまないこともあって個々人に様々な負荷がかかり、職場の人間関係やコミュニケーションにも影響を与えています。こうした各種施策は、働く仲間の雇用や生活、権利、労働条件を脅かし、働くものの誇りと働きがいの喪失と「不安」が蔓延する職場をつくりだしています。

 このようななか迎えた2022年は、何よりも国民や働くものの声や願いが優先される1年にしていかなければなりません。そのためにも、いまが歴史的転換点であることに確信をもち、働くものが声をあげ、労働組合をいかして運動をすすめていくことが求められています。

 昨年、新型コロナウイルス感染症の拡大によって、全損保が最も大事にしてきた「人が集まる」ことに困難さが生じ、つどう場も思うように開催できませんでした。一方で、テレワークなど働き方が急変したことでコミュニケーション不足という課題もあきらかになり、「集まることが難しい今だからこそ、集まることの大切さを認識した」という声が数多く出されるなど、「人が集まって語り合う」ことを大切に、運動をすすめてきた全損保の運動にあらためて確信を持つことができました。
 今年も、企業や職場の枠をこえて「人が集まって語り合う」場を大切に、リモートなどの利点も活用することで地域の組合員との接点をもちながら、すべての組合員が全損保へ結集し、産業別単一組織の良さと役割、機能をいかしながら、損保に働く仲間が安心して働ける職場をめざして運動をすすめていきます。私も、この労働組合の先頭に立ち、“人間の視点”、“働くものの視点”を大切に、奮闘していく決意を新たにしています。
 今年は、みなさんにとってより良き1年となることを祈念して新年のあいさつとします。




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