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2021年春闘構築にむけて情勢認識を深め 意思統一 要求討議のスタートに位置づけ賃金討論集会を開催 |
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11月14日、東京で賃金討論集会を開催しました。この集会は、例年、春闘構築のスタートにあたって、とりまく情勢への認識を一致させ、各支部・独立分会が抱える課題を共有し合い、要求討議のスタートの場に位置づけ行なっています。 集会には、全損保各組織の賃金対策部を中心に友好労組である大同火災労組、損保料率機構労組の代表者も含め33名が参加しました。
講演では、元ソニー会長である盛田昭夫氏が1992年雑誌「文藝春秋」に発表した「『日本型経営』が危ない」と題した論文を紹介し、当時、欧米と比べて日本企業経営が劣っていることを指摘した「豊かな日本を創るための提言『6項目』」について説明しました。 そのなかでも特に、「生活に豊かさとゆとりが得られるような労働条件にすべきであり、真の豊かさを実感できる給与レベルにしなければいけない」とした提言を紹介し、当時の企業経営者の見識の高さを強調しました。そのうえで、現在の日本経団連が毎年発表する経営側の春闘方針である「経営労働政策特別委員会報告(経労委報告)」についての特徴を説明しました。そのなかで「大企業の利益拡大しか見ておらず、そのために労働者をどう奉仕させるかという観点しかない」と指摘し、「日本型雇用システムの見直し」、「高度な付加価値の実現」などを説明するなかで「現実を無視し、経済の矛盾を深める財界の方針である」と厳しく糾弾しました。 そして、日本と各国を比較した各種経済指標を説明し、OECD諸国の「人材の質」ランキングで日本は4位であるにもかかわらず、労働者の生産性(労働者1人当たりGDP)は29位となっていることを紹介し、「人材の質に応じた労働生産性にしていかなければならない。そのためには、賃金を上げることが必要である」と強調しました。また、今年政府の成長戦略会議の議員に起用されたデビットアトキンソン氏が、著書のなかで「人口増加モデルから人口減少モデルへ、低付加価値から高付加価値へ」の転換を呼びかけていることにふれ、「こうした経済体制にしていくためにも、経済政策として最低賃金を継続的に引き上げていくことが必要である」と強調しました。 その後、桑田さんの出身単産である生協労連が作成した「270万円で暮らせる社会の実現」を視聴し、最後に桑田さんは「総合的・俯瞰的に賃金を考え、労働組合として賃金を引き上げていく春闘にして欲しい」と参加者を激励しました。
2021年春闘構築に向けては、「損保の中間決算では、コロナ禍で減収しているが、自動車保険や海外旅行傷害保険で事故件数が減少していることから、一定の収益は残っている。しかし、デジタル化への対応が思うように進まず、中小社に負担を強いているなど、春闘においては経営の厳しい出方が想定されている。一方で、労働生産性の向上が求められている職場には処遇改善の要求は強まっており、経営の厳しい出方と強い要求がぶつかり合う春闘となる。後ほどの分散会ではこれまでの到達点や教訓を確認し合い、全損保統一闘争への認識一致をはかって欲しい」と積極的な討論を呼びかけました。 引き続き、共栄支部、日新支部、楽天損保支部から2020年春闘の経過と到達点、2021年春闘にむけた課題や職場状況、その背景にある経営政策が報告されました。
最後に、石綿本部賃対部副部長(楽天損保支部)が閉会のあいさつに立ち、「講演では、最低賃金引上げの必要性が分かり、広い視野で賃金を考えるよい機会になった。また、分散会では様々な意見交換がされ、コロナ禍で組合員の団結をいかに維持するのかが課題となっていることへの認識が共有でき、こうした課題をみんなで知恵を出し合い乗り切っていく春闘にしていくことが確認されたと思う。今日の討論集会の内容を持ち帰って執行部で共有し、組合員の期待に応える具体的な要求づくりをしていこう」と2021年春闘討議のスタートを呼びかけ賃金討論集会を閉会しました。 |
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