11月18日、TKP上野御徒町ビジネスセンターで賃金討論集会を開催しました。この集会は、例年、春闘のスタートにあたって、とりまく情勢への認識を一致させ、各支部・独立分会が抱える課題を共有しあい、春闘構築のスタートの場に位置づけおこなっています。集会には、全損保各組織の賃金対策部を中心に友好労組である大同火災労組、損保料率機構労組の代表者も含め29名の組合役員が参加しました。
竹内本部賃対部副部長の進行で始まった集会は、Chubb Japan支部の沼崎委員長から「55歳以降の給与減額の撤廃から60歳再雇用者の給与改定の実現まで」と題する特別報告がありました。
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特別報告する 沼崎委員長 (Chubb Japan支部)
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特別報告をおこなった沼崎さんは、シグナ、エース、Chubbへと会社組織が変遷する中で、組合員の要求をもとに中高年の処遇改善をめざしてとりくんだ長年にわたる会社との交渉経過を説明し、55歳以降者の基本給減額措置の撤廃をかちとり、今年10月には、60歳再雇用者の給与も「社員と同水準の職務に応じたグレードの給与」とする制度改定をかちとった成果と到達点を時系列的に説明しました。
最後に沼崎さんは、「ここまで時間はかかったが、会社に『年齢差別』の問題点を主張し続けたことによって、こうした成果をかちとることができた。各支部・独立分会の今後のとりくみにいかしてもらいたい」とエールを送りました。この特別報告からは、中高年層が54歳以前とほとんど変わらない働き方を課せられているなかで、Chubb Japan支部が築いた到達点が画期的な内容であり、各支部・独立分会の中高年処遇改善のとりくみにいかせる成果となっていることを確認しあいました。
続いて、山本本部賃対部長(共栄支部)が「2018年春闘構築に向けて、要求討議のすすめ方」を提起しました。そのなかで、各支部・独立分会の努力で築いた2017年春闘の成果と到達点を確認しました。2018年春闘構築に向けては、「損保各社の決算は基本的には好調に推移しているが、事業環境が先行き不透明なことから、経営の危機感は依然として強くなっている。この危機感が極端に表れたのが『外資のたたかい』である。職場には、情勢の『歪み』が押しつけられ、『働きと処遇』への矛盾がある。こうした経営の危機感に対して組合員の期待と要求は高まっており、そうした意味からも2018年春闘は労使がせめぎあう厳しいたたかいとなることが想定されている。後ほどの分散会ではこれまでの到達点や教訓を確認しあい、全損保統一闘争への認識一致をはかってほしい」と積極的な討論を呼びかけました。引き続き、共栄支部、日新支部、朝日支部から2017年春闘の成果や到達点、職場の状況とその背景にある経営政策が報告されました。
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報告する大島さん (共栄支部)
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報告する長塚さん (日新支部)
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報告する竹内さん (朝日支部)
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その後、2班に分かれて分散会がおこなわれました。分散会では、特別報告を受けての感想と全体情勢に対する意見を出しあったうえで、各社の経営政策や職場における問題点、これまでの春闘や人事制度改定におけるとりくみなどに関し、率直に悩みや意見が出され、情報の共有がはかられました。
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閉会する 佐藤賃対部副部長
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分散会終了後、まとめの全体会がおこなわれ、外資のたたかいの状況が説明され、それぞれの友好労組からあいさつを受けました。最後に、佐藤本部賃対部副部長(損保ジャパン支部)が閉会のあいさつに立ち、「特別報告ではChubb Japan支部でとりくんだ成果を学び中高年処遇の改善に向け大変参考になった。賃対部提起で全体情勢の認識が深められ、各支部の報告と分散会で、春闘構築に向けた職場状況や生じている矛盾や悩みも出され、ていねいな要求論議の重要性が確認された。要求の根幹は組合員の声であり、その声を集め分析して要求にしていかなければならない。単年度では成果は見えづらいが要求し続けることの大切さも学びあえた。学んだこと、感じたことなどを所属組織にきちんと伝え、要求づくりにいかしてもらうことで、今日をスタートに全損保統一の春闘を構築していこう」と2018年春闘構築のスタートを呼びかけ賃金討論集会を閉会しました。
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