職場の実態を直視した金融行政を求める


全国金融共闘による金融庁への要請



要請をおこなう全国金融共闘の代表9名
要請をおこなう全国金融共闘の代表


 11月11日(金)10時より約1時間、全国金融共闘の代表9名(全損保2名、金融労連4名、全証労協2名、東京金融共闘1名)による金融庁要請をおこないました。
 代表団は、要請書に沿ってこれまでの「自由化」規制緩和による弊害を十分検証し、国民・利用者に対する社会的役割を果たせる金融とするように政策を転換することを求めました。また、「顧客ニーズに応える経営」を求める金融庁の監督指針に反し、各金融機関が進める「収益第一主義」による経営政策が顧客や従業員にもたらしている被害を訴えるとともに、職場実態を直視して監督にあたるよう要請しました。

 対応した金融庁の職員は、10月に発表した「金融行政方針」の骨格にふれ、「金融機関が創意工夫して顧客本位の良質な金融サービスを提供し、企業の生産性向上や国民の資産形成を助けることで、金融機関自身も安定した顧客基盤と収益を確保するという好循環をめざすことが望ましい。今後も、この方針にそって適切に監督をおこなっていく」とする見解を示しました。また、信用失墜につながるノルマ的販売への指導を求めたことについては、「金融機関が目標設定すること自体は否定しないが、設定にあたっては実績や内容、担当者の質と量、店舗の規模などを十分勘案し、十分な体制整備が求められる。真に顧客のためとなっているかという視点で検査をおこなっている」と回答しました。

 そして、武生信金における不正融資疑惑に絡んだ職員2名の不当解雇事件について、当該単産から裁判も含めてこの間の経過を説明するとともに、一刻も早く解決するために金融庁の責任の重さを訴えました。
 これに対し、担当である協同組織金融室からは「係争中でもありコメントをすることはできないが、本件は管理職が話を聞くことになっており、要請の内容やいただいた話はきちんと当該金庫に伝える」と答えるにとどまっています。

 その後、各単産の代表から経営政策の問題点や職場の実態について報告をおこない、最後に「金融で働く仲間の声が金融でおこっていることを表している。今後、金融政策を進めるにあたっては、その声に耳を傾けることがもっとも重要であり、本日伝えた実態についてきちんと受け止め、政策を検討していくにあたっていかすよう求める」と、金融に働く者の意見を政策に反映することを強く求めました。
 これに対し金融庁側は、「今後は、経営政策の主旨や内容が現場にきちんと伝えられているかも含めて、対話を重視して監督・検査をおこなっていく」との受け止めを示しました。


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