6・18 外勤部学習会を開催  −59名が参加−


“損保労働の変質と外勤・直販にもたらされる歪み −共通する「募集」をキーワードに
外勤・直販の働き方を考える”



59名が参加した外勤部学習会
59名が参加した外勤部学習会


 6月18日(土)、全損保外勤部は、「損保労働の変質と外勤・直販にもたらされる歪み−共通する『募集』をキーワードに外勤・直販の働き方を考える」をテーマに学習会を開催し、各外勤関連4支部から59名が参加しました。
 今回の学習会では、共通する「募集」にかかわる問題に絞って、外勤・直販が日頃抱いている問題意識や不安、各社の実態などを分散会で意見交換しあい、その問題を解決していくために全損保外勤部に結集することが大切であることを認識しあうことを目的に開催しました。

 まず、全損保浦上委員長が、「討議資料『損保労働の今と明日を語ろう』から、損保労働の変質が外勤・直販にどのような影響を与えたか」と題し、問題提起をおこないました。そのなかでは、討議資料に掲載している「損保労働の質を規定する要因の変遷と変化の概括」を使い、1998年の損保自由化によって損保産業、経営政策がどのように変質してきたかを、「自由化以前」、「統合・合併」、「保険金不払い問題」、「リーマンショック」という損保に大きな変化をもたらした時代背景にふれながら、特に、損保労働の変化について問題意識を述べました。具体的には、商品や代理店手数料の細分化、事業費圧縮のための要員削減、代理店の統廃合をすすめた募集網政策、行き過ぎたコンプライアンスの徹底などをとりあげ、そうした政策がすすめられていくなかで、外勤・直販における事務処理、報告事項が増加し、「募集」にかかわるさまざまな業務が煩雑化、複雑化したことで、顧客訪問も含め営業に使える時間が減少するなど、「顧客のための損保ではなく、収益を確保する損保」へ変質していったと問題指摘しました。そして、「こうした経緯を経て、みなさんの『募集』という業務にかかわる実態や問題点、歪みが生まれています。補償機能の発揮という損保本来の社会的役割に立った産業の再生をめざすということからも、顧客と直に接している外勤・直販の声がいまこそ必要です」と、分散会での率直な意見交換を呼びかけました。

報告する各支部代表者
北川さん 山本さん 中嶋さん 佐野さん
北川さん
(富士支部)
山本さん
(共栄支部)
中嶋さん
(日動外勤支部)
佐野さん
(あいおい外勤支部)


 次に、各支部の代表から、事前に作成した報告メモに沿って、顧客対応、社内事務などの項目ごとに職場の実態と問題意識が発表されました。そのなかでは、アンダーライティング強化による事務量の増加と顧客対応の難しさ、積立など商品の売り止めにかかわる悩み、年中すすめられるキャンペーンに対する問題意識など、スムーズに「募集」するにあたって障害となっていることが具体的な事例をあげて報告されました。


5つの班に分かれて意見交換をおこなった分散会
5つの班に分かれて意見交換をおこなった分散会

 その後、参加者が5つの班に分かれて分散会をおこないました。分散会では、○問題提起、各支部報告を受けての感想や自身の問題意識、○各支部の報告メモに沿った課題ごとの問題意識の交換、○問題点を解消するためには、という論点で率直な意見交換がおこなわれました。各参加者とも、日頃感じている矛盾や問題意識を交換しあい、情報を共有しあいました。そして、同じ募集者であり、同じ全損保の組合員であることを共通項として、今後も外勤部へ結集することの大切さを確認しあいました。

まとめをおこなう田中外勤部長
まとめをおこなう田中外勤部長

 分散会を受けて、各分散会論議の報告をおこなった後、田中外勤部長が「今日の学習会を通じて、他社で起こっていることを聞き、自分の職場や仕事を振り返ることができたと思う。同じ仕事として、同じ立場で意見交換ができる場は労働組合しか作れない。今後も、全損保の外勤部を活用して、集って、伝えて、情報を共有することで問題解決や不安の払拭につなげていこう」と会議のまとめをおこない、終了しました。




参加者の感想より
最初、分散会は嫌だなと思っていましたが、ラフにお話ができ、各社の様子も分かり参加して良かったです。また、機会を作っていただき、今日参加できなかった組合員にも参加してもらい、話を聞いたり、質問してみたりしてほしいです。
早期計上など事務的な仕事が増えていて、営業時間が少なくなっているなど、自社だけではなかった事に驚きました。各社いろいろ不満を持ちながらもがんばっている。自社だけがつらいのではなかった。
各支部で多少の差はありますが、事務仕事が大幅に増え、募集に動く時間が削られているという話が出ていました。しばりが増えていることは、お客様、私たち働く人間にとって良いことではなく、会社にとって良いだけのことではないか。組合があればこそ、他社との交流が持てる。このことは本当に重要なことだと思います。浦上さんが最初に述べていたように、他社の話を耳にし、励まされたり、頑張りが出たり、大変貴重な時間であったと思います。
昔と今の違いは仕方ないと思いますが、今のお客様にとってより、会社にとって都合の良い方向にしかなっていない。分散会で知りたかったこと、知ったことなど、話しやすい環境でいろいろ話せてよかった。
意見交換が旺盛にできる場でした。遠慮なくそれぞれが述べられていて参考になりました。他社動向を知るのにも貴重な場でした。
同じ悩みをどの会社もかかえていて少し安心しました。また、自分の所を客観的に考えることができて良かったです。
分散会で他支部の方向性を聞くことができて、もっと組合活動で変えられることも沢山あるので、支社単位から職場の声を出して、組合の重要性・活用を考えて、変えられるはずと信じて、活動、参加人数を増やしていこうと思いました。組合の意義をもっと一人ひとりに知ってもらい考えてもらえたらと思いました。
色々な意見が出て勉強になった。今日一番心に残ったのは、最初のお話にあった“お客様の損保会社”が“収益のための損保会社”になってしまっているということで、まさにそこが一番感じているところだったので共感した。時代には逆らえずやりにくいのは仕方ないが、そのなかでより良い損保にしていけるよう全損保で頑張るしかないと思う。
職場、扱う商品による環境の差を大きく感じた。また増収額やノルマによるしばりは代理店化の推進であることは間違いなく、今後も直販制度を脅かすものと強く感じる。当たり前に感じつつあるものが、実は理不尽であったり、感覚を麻痺させないために、このような情報交換の場は必要であろう。
テーマを保険「募集」に絞っていただけたことで、話がそれることなく、各社さまざまな問題点が浮き彫りにできたと思います。



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