賃金討論集会を開催

2016年春闘要求討議をスタート

2016年春闘構築に向け意思統一をはかる
2016年春闘構築に向け意思統一をはかる


 11月28日(土)、共栄火災本社会議室で賃金討論集会が開催されました。この集会は、例年、春闘のスタートにあたって、各支部・分会が抱える課題を意見交換し、春闘構築に向けた意思統一のためにおこなわれています。集会には、全損保各組織の賃金対策部を中心に友好労組である大同火災労組、損保料率機構労組の代表者も含め36名の組合役員が参加しました。

講演を行う井上氏(国民春闘共闘委員会事務局長)
講演を行う井上氏
(国民春闘共闘委員会事務局長)


 及川本部副書記長の進行で始まった集会は、まず「憲法をまもりいかす『二つの共同』と賃金底上げ」と題し、国民春闘共闘委員会・全労連事務局長の井上久氏から講演を受けました。井上さんは、労働組合のリーダーとしての立場から、歴史的な岐路にある全体情勢と、これに対し労働組合がどのような構えで春闘要求討議をしていけばいいのかなどを、資料を使いながら分かりやすく講演されました。
 講演では、まず9月に強行採決された安保法制が将来の日本を大きく変えてしまう危険性を持ち、私たちの暮らしの問題につながることを指摘しました。また、安倍政権が打ち出している「一億総活躍社会」については、「アベノミクスの破綻を覆い隠すものである」とし、2期連続でGDPがマイナスとなった日本経済の状態について、「大企業が300兆円を超える内部留保を保持する一方で、増え続ける非正規雇用、低下する実質賃金など、国民・労働者に被害をもたらしている」と資料をもとに詳細に説明しました。そして、「暮らしを守る課題でも地域を基礎に国民的な共同が必要である」と労働組合に課せられた課題を明らかにしました。そうした中迎える2016年春闘では、「何よりも大幅賃上げが求められる」と強調し、「生活費原則をもとに視野広く要求論議をおこない、若い人が定着する産業、企業の将来像を経営者としっかり協議して、全組合員でたたかって回答を引き出してほしい」と全損保春闘へのエールを送りました。

春闘のすすめ方を提起する西田賃対部長
春闘のすすめ方を提起する
西田賃対部長


 続いて、西田本部賃対部長(共栄支部委員長)が「2016年春闘構築に向けて、要求討議のすすめ方」を提起しました。そのなかで、各支部の努力で築いた2015年春闘の成果と到達点を確認しました。2016年春闘構築に向けては、「業績は好調に推移しているが、各社では『革新、改革』などと称し、『人をコスト』と見る動きが強まっており、経営の厳しい姿勢は変わらないことが想定される。職場には、合理化・効率化政策がストレートに下ろされ、生活と雇用、労働条件が脅かされている。そうしたなか、2016年春闘は切実な実態や思いと経営の思惑がぶつかりあうたたかいとなる。したがって、これまでの春闘の到達点と課題をふまえ、産業別単一組織としての力量を発揮し、統一闘争を構築していこう」と呼びかけました。引き続き、共栄支部、損保ジャパン支部、セコム損保支部、朝日支部から2015年春闘、2015年12臨闘争の成果や到達点、職場の状況とその背景にある経営政策が報告されました。

意見を出し合った分散会
意見を出し合った分散会


 その後、3班に分かれて分散会がおこなわれました。分散会では、講演を受けての感想と全体情勢に対する意見を出し合ったうえで、各社の経営政策や職場における問題点、12臨闘争の状況、これまでの春闘や人事制度改定におけるとりくみ、「働き方改革」、希望退職募集などに関し、率直に悩みや意見が出され、情報の共有がはかられました。



討論のまとめを行う佐藤賃対部副部長
討論のまとめを行う
佐藤賃対部副部長


 分散会終了後、まとめの全体会がおこなわれ、それぞれの友好労組からあいさつを受けました。
 最後に、佐藤本部賃対部副部長(損保ジャパン支部書記長)が討論のまとめをおこない、「講演や賃対部提起で全体情勢の認識が深められ、各支部の報告と分散会で、春闘構築に向けた職場状況や生じている矛盾や悩みも出され、ていねいな要求論議の重要性が確認された。具体的な要求論議はこれからだが、生活実態を改善するために何を具体的に改善するのかをとらえて、働く仲間を視野に2016年春闘を構築していこう」と2016年春闘構築のスタートを呼びかけ討論集会を閉会しました。


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