日動外勤のたたかい

会社シミュレーションはまったくの虚構
組合反証で東京海上日動は窮地に
和解勧告出 る
写真:東京海上日動本社前で抗議の座り込み 写真:東京海上日動本社前で抗議行動団結ガンバロー
東京海上日動本社前で抗議の座り込み(左)と争議解決へ団結ガンバロー(右)


法廷当日の行動
写真:早朝から裁判所前で宣伝行動
早朝から裁判所前で宣伝行動

報告集会
写真:報告集会で報告する加藤弁護士 写真:東海支部OB会池田さん
報告集会で報告する
加藤弁護士

東海支部OB会
池田さん

写真:集会に多くの人が集まった
集会に多くの人が集まった


法廷後の要請行動
写真:雨の中、座り込み抗議
雨の中、座り込み抗議

多くの支援と
挨拶
写真:全労連副議長・全労連全国一般委員長大木さん

全労連副議長
全労連全国一般委員長
大木さん
写真:東京争議団共闘議長小関さん 写真:全国金融共闘事務局長・全証労協議長松井さん
東京争議団共闘議長
小関さん
全国金融共闘事務局長
全証労協議長
松井さん
写真:金融労連村上さん 写真:日産センチュリー労組笠原委員長
金融労連
村上さん
日産センチュリー労組
委員長
笠原さん
写真:日動外勤支部佐藤委員長 写真:全損保吉田委員長
日動外勤支部
佐藤委員長
全損保
吉田委員長
当事者全員による
リレートーク
写真:当事者全員によるリレートーク


写真:当事者全員によるリレートーク 写真:当事者全員によるリレートーク


写真:当事者全員によるリレートーク 写真:当事者全員によるリレートーク
 6月9日、東京高等裁判所大法廷で、東京海上日動火災外勤社員切捨て事件の第7回弁論が行われました。裁判所は、この日に向けて、労使双方に「不明点」を釈明するよう求めていました。会社には、外勤社員制度廃止後、職種を変更して「継続雇用」し、5年間は経過期間を設け「不利益はなくなった」と主張しているが、その後、停年退職までどのような処遇を受けるのか、同年に入社した一般的な社員と比較するとどうなるのか、との点も含め明らかにするように求めました。また、組合には、会社に求めた釈明への反論と共に、代理店への転進、職種を変更する「継続雇用」では、外勤社員のキャリアが否定されるというが、なぜ、外勤社員でなければならないのかについて示すよう求めていました。

主張とも事実とも矛盾する虚構のシミュレーション
 裁判所の釈明に対し、会社は準備書面(7)を作成し、被控訴人ら(外勤社員)のシミュレーションなるものを示してきました。会社は、東京高裁提訴後、なりふり構わずこれまでの提案内容を変更し、裁判を有利に展開しようとしてきました。外勤社員制度廃止後、1年の特命社員の期間(助走期間と言われる)を経て、地域型従業員に格付け、その後、4年間は経過措置期間として移行時の賃金を保証することにし、「もう不利益はないから裁判上の不利益はなくなった」と開き直ったのです。経過期間後の処遇内容を明らかにするよう求めた裁判所の釈明は、この主張に打撃を与えるものといえます。
 会社が格付けるという従業員の賃金制度は、「役割等級制度」と呼ばれるもので、T等級からW等級(課長代理)の4つの給与テーブルがあり、入社2年たつと、地域型従業員はT等級に、全国型従業員はV等級に当てはまります。その後、本人の態度や業績が評価され、評価ランクに基づいて賃金が昇降し、また、上位等級にふさわしいと人物評価がされると昇級します。そしてその運用は、年齢や入社年次などと全く関係なく実力本位とされています。この裁判でも、会社はこの賃金体系の性格をそのように説明し、生涯賃金の不利益を主張した組合を、将来の収入など決めることができないから組合の計算は成り立たないと否定してきました。現実にV等級、W等級の地域型従業員は殆ど存在しません。
 しかし、今回、会社が示したシミュレーションは、入社3年目にT等級に格付けられた地域型従業員が一定年数ごとに昇級し全員がW等級になるとした上で、外勤社員は、移行時に49歳以下のものは定年までに全員がW等級になるという計算を示してきました。これはまったくの虚構です。これまで会社は、各等級で「最長滞留年数」を定めて誰もが昇級するよう求めてきた全損保東京海上支部の春闘要求に対し、この賃金体系は年齢や勤続年数は一切関係がないと全面否定していました。
 また、組合は地域型従業員の分布を調査し、地域型従業員でV等級は5%未満、W等級は1.2%未満であるという事実を突きつけ、その虚構性を明らかにしました。しかも、この会社シミュレーションにおいてさえ、被控訴人らの8名は賃金が下がる結果という始末です。
 組合は、準備書面(7)を作成し、以上のような会社シミュレーションの虚構性を明らかとし、本法廷においても、シミュレーションの根拠を示せと釈明を強く求めました。会社はこれに反論をしたいと述べましたが、その期日は定められませんでした。

総力で「なぜ外勤社員でなければならないのか」を示す
 組合は、「なぜ外勤社員でなければならないのか」について準備書面(6)を提出しました。これは、被控訴人(外勤社員)の第3回目となる陳述書、どのように一人ひとりの契約者と結びつき、保険契約を獲得してきたか、それをどう守っているか、を示した書面、職種を変えて「継続雇用」の道を選んだ仲間の陳述書、「継続雇用」後、いたたまれずに退職した方の陳述録取書、代理店の人たちの実態調査などを踏まえて、「RA社員(外勤社員)としての人生、キャリアについて」、「代理店転進が何をもたらすか」、「継続雇用は何をもたらすか」を全面的に明らかにしたものです。また、上記の準備書面(7)には、会社シミュレーションに対するものとともに、この間の会社主張への反論として、労働契約法の趣旨を踏まえた職種限定契約の変更の違法性、制度廃止の口実とする損保業界の激変・グローバル競争の主張の間違いなどをただしました。

会社の反論期日設定されず和解勧告に
 これを受けて、裁判所は、会社が申し立てた反論の期日設定などにまったく触れず、「裁判所としては労使の話し合いで解決するということが望ましいと考えているが、労使間では協議が円滑にすすんでいかないと感じざるを得ない。双方が解決についてどう感じているのかを聞き、裁判所が審理を通してどう感じているかを伝え、協議することが望ましいと思う」と提案しました。
 会社は協議の場を作ることには異存がないと応じ、当方も、「早期解決は私たちの望みであり、早期解決がはかられるのであればやぶさかではないが、和解協議によってさらに時間がかかるようであれば望まない」とこたえました。一端、休廷後、裁判長は「職権により和解を勧告する」と宣言しました。
 第1回協議は、7月1日10時30分からとなりました。

東京海上日動本社前で要請待機へ
 午後からは、東京海上日動本社前に移り、解決を求める要求書を提出。その回答を待つ待機行動を行いました。会社は全く回答してこなかったため、行動は夕方まで続きました。
 全労連副議長・全労連全国一般委員長大木さん、東京争議団共闘議長小関さん、全国金融共闘事務局長・全証労協議長松井さん、金融労連村上さん、金融3争議をともにたたかう日産センチュリー労組笠原委員長、金子副委員長をはじめ多くの方が支援に駆けつけました。当事者全員のリレートークでは、会社攻撃への怒り、外勤社員を続けたいという要求、経営陣への批判など思いのたけがぶつけられ、本社前は怒りに満ち溢れました。
 6月18日からは、東京で、大阪で、地方都市で、ミレアホールディングス株主総会1週間総行動にとりくみます。6月23日の株主総会当日には、株主団を結成して参加し、会社責任を追及します。


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