日動外勤支部のたたかい
写真:昼休み抗議行動 雨の中のシュプレヒコール(22日)
昼休み抗議行動 雨の中のシュプレヒコール(22日)


ミレアホールディングス株主総会
1週間総行動

社長の経営責任追及
のべ2,000人参加

 6/20〜26、東京海上日動に判決と命令を守らせ、争議の全面解決を迫る「ミレアホールディングス(東京海上日動持株会社)株主総会1週間総行動」にとりくみました。判決や命令に従わず、外勤社員制度の廃止と不当労働行為を続ける東京海上日動経営者に、運動と株主総会での責任追及で、解決の決断を迫りました。


 6/20(1日目)
写真:早朝宣伝で行動スタート 写真:夕方学習決起集会 写真:学習決起集会講師の平井弁護士
早朝宣伝で行動スタート

夕方学習決起集会

学習決起集会講師の
平井弁護士

 1週間総行動は、6/20早朝の本社周辺宣伝行動でスタートしました。昼休み抗議行動には、全損保の尾高、西田両常任もあいさつ。全損保吉田委員長は「1週間総行動を成功させ、経営者の責任を徹底して追及しよう」とよびかけました。
 首都圏の支店要請を行った後、夕方からは、全国からかけつけた仲間とともに、学習決起集会を開催しました。集会では、吉田委員長が、東京地裁判決後の会社の動向と、制度廃止後に適用すると提案・説明されている人事制度の運用面の問題点を明らかにしました。顧問弁護団からは平井弁護士が参加。裁判闘争の争点と展望について語りました。支部の及川副書記長が1週間の行動的を行い、全損保浦上書記長が補足し、意思統一をはかりました。



 6/21(2日目)
写真:連日の朝ビラ宣伝 写真:要請団をガードマンでブロックする会社 写真:会社回答を待つ行動参加者
連日の朝ビラ宣伝

要請団をガードマンでブロックする会社

会社回答を待つ行動参加者

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 昼休み抗議行動 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
写真:全労連小田川事務局長 写真:東京地評伊藤副議長 写真:金融労連貝の瀬執行委員 写真:全証労協多田事務局長
全労連小田川事務局長
東京地評伊藤副議長
金融労連貝の瀬執行委員
全証労協多田事務局長

 2日目は、早朝から本社周辺と東京高裁前で宣伝行動(東京争議団と連帯)を進めました。昼休み抗議行動には、全労連小田川事務局長、東京地評伊藤副議長、金融労連貝の瀬執行委員、全証労協多田事務局長も駆けつけ、ともにたたかう決意を述べてくれました。
 その後、要請団による要請行動に移りましたが、会社はあいかわらずガードマンでブロック。顰蹙を買う中で、会社に要請書が手渡されました。この要請書への回答を待ち、午後は待機行動に入りました。夕方には、締めくくりの抗議行動が行われました。



 6/22(3日目)
写真:朝玄関で要請団をブロックするガードマン<br>恥ずかしいと思わないのか 写真:会社ロビーで要請書を読上げ
朝、玄関で要請団をブロックするガードマン
恥ずかしいと思わないのか

会社ロビーで要請書を読上げ


写真:組合員から奪った200万円を返せ 写真:雨の中会社回答を待つ行動参加
組合員から奪った200万円を返せ

雨の中会社回答を待つ行動参加

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 昼休み抗議行動、午後の行動 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
写真:全労連坂内議長 写真:公務労組連絡会若井事務局長 写真:東京金融共闘鈴木議長 写真:金融労連村上執行委員
全労連坂内議長

公務労組連絡会若井事務局長

東京金融共闘鈴木議長

金融労連村上執行委員

写真:航空連木挽副委員長 写真:組合員が順番に訴え
航空連木挽副委員長

組合員が順番に訴え


 3日目は、早朝の宣伝行動後、要請団は会社に向かいました。ガードマンは阻止しようとしましたが、玄関から入ることができ、受付で人事企画部担当者を呼び出しました。しばらく待機すると担当者がロビーに。会議室などでの要請を求めましたが拒否したため、要請団はやむなくロビーで要請書を読上げ、提出しました。その間、本社ビルの玄関はガードマンが張り付いたままという異様な光景が続きました。
 その後は、要請の回答への待機行動へ。昼休み抗議行動には、全労連坂内議長、公務労組連若井事務局長、東京金融共闘鈴木議長、金融労連村上執行委員が、激励とともに経営者の責任を追及し、連帯してたたかう決意を述べました。午後には、航空連の木挽副委員長もかけつけました。夕方の締めくくりの抗議行動では、2日にわたって誠実な対応をしない会社への怒りを込めてシュプレヒコールを行い、この日の日程は終了しました。



 6/23、24(4、5日目)
写真:23、24日は山手線沿線ビラ配布
23、24日は山手線沿線ビラ配布

 土日となった両日は、山手線沿線でのポスティングビラにとりくみました。23日は上野駅に、24日は渋谷駅に集合し、数人単位で山手線の各駅周辺に別れ、宣伝行動を行いながら、終日、行動しました。
 両日で134,000枚のビラを配布、4月18日からとりくんできた「手渡し&ポスティングビラ」は、この1週間総行動で90万枚を突破。100万枚は確実な状況となりました。





 6/25(6日目)
写真:株主総会会場前でビラ宣伝 写真:行動にはむしろ旗も登場 写真:会場のパレスホテル前で株主団を送り出す
株主総会会場前でビラ宣伝

行動にはむしろ旗も登場

会場のパレスホテル前で株主団を送り出す

写真:松平晃さんもトランペットで激励
松平晃さんもトランペットで激励

 株主総会当日となったこの日は、金融3争議共同行動日としてとりくまれました。早朝宣伝を終えると、行動参加者は株主総会会場のパレスホテル前に集合。30人の株主団を送り出しました。株主団は、株主として経営陣の責任を追及し、労使紛争の全面解決の決断を迫りました。その詳細は 《株主総会ドキュメント》 のとおりです。





・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 昼休み抗議行動 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
写真:抗議行動東京地評堤議長 写真:東京地評永瀬事務局次長 写真:株主総会の報告をする吉田委員長 写真:怒りのシュプレヒコール
東京地評堤議長
東京地評永瀬事務局次長
株主総会の報告をする吉田委員長
怒りのシュプレヒコール

 昼休み抗議行動には、東京地評堤議長、同永瀬事務局次長が駆けつけ、連帯と支援のあいさつを行いました。株主総会終了後、株主団を代表して吉田委員長が、石原社長が「不払い問題」の本当の原因を説明せず、「後進に経験を伝えることが責任」などと言い会長に居座ることなど、総会の報告を行いました。


写真:日産センチュリー証券本社前抗議行動 写真:AIGスター生命本社前抗議行動
日産センチュリー証券本社前抗議行動

AIGスター生命本社前抗議行動

・・・・・ 締めくくりの抗議行動 ・・・・・
写真:日動外勤支部佐藤委員長 写真:大阪地協西田書記長
日動外勤支部佐藤委員長

大阪地協西田書記長

 その後、行動参加者はAIGスター生命本社前、日産センチュリー証券本社前で抗議行動を行い、夕方には、再び、東京海上日動本社前の抗議行動を実施しました。吉田委員長は、行動の締めくくりとして「1週間総行動を通じて、この会社がいかに異常か、ますますわかった。違法と裁判所や労働委員会から断罪された会社が、違法を通すために大量のガードマンを雇い、大金をつぎ込む。居座ることが責任だと、およそ非常識な考えで、社長が会長におさまる。こんなことは世間では通用しない。100万に迫るビラの運動で社会的批判は広がっている。1週間総行動で明らかなになった、会社の異常さを伝えていけば、必ず、私たちは勝利する」と述べました。


・・・・・・・・・・ 1週間総行動・金融3争議共同行動総括決起集会 ・・・・・・・・・
写真:連帯のあいさつをする国民春闘共闘代表幹事・全農協労連老田委員長 写真:牛久保弁護士 写真:全証労協松井事務局長
連帯のあいさつをする
国民春闘共闘代表幹事
全農協労連老田委員長

牛久保弁護士



全証労協松井議長




 その後、全労連会館に場所を移し、1週間総行動・金融3争議共同行動総括決起集会が行われ、翌朝の宣伝行動で「ミレアホールディングス株主総会速報」を街頭で配布し、行動全体は終了しました。

写真:団結ガンバロー
団結ガンバロー






《株主総会ドキュメント》
 いよいよ、ミレアホールディングス株主総会当日。本社前宣伝行動を終えると、行動参加者は株主総会会場のパレスホテル前に集合。30人の株主団を会場に送り出しました。会場前ではNHKの取材もありました。
 総会は、株式分割の影響で、数百人の株主が参加。「不払い問題」の影響もあり、冒頭から緊張感が高まりました。
 冒頭、石原社長はじめ経営陣は「不払い問題等でご迷惑をかけました」と深々と頭を下げました。そして、事業報告のはじめに、「不払い問題」などの原因と対処策について説明が行われました。
 その後、質疑に移ると、株主団を代表して全損保吉田委員長が質問に立ちました。あらかじめ提出してあった 質問状 に沿って、5つのポイントから石原社長の責任を追及。40分にわたるやりとりになりました。

 1点目は、事業報告で「不払い問題」を起こした経営の責任が一切触れられていないという事実を指摘し、この事態が起きた原因とともに、石原社長がどう責任を取り、どう会社の体質を変えていくのか、説明を求め、石原社長が責任を認め、経営陣を一掃することが、再発防止の大前提であると責任を追求しました。また、石原社長は社長から会長に退くと報道されていましたが、それは引責なのか、引責というならなぜなのか、と説明を求めました。
 これに対し石原社長は、「不払い問題」が経営がもたらした事態であるという責任を認めず、報酬カットや代表権をなくして会長に退くという事実は説明しましたが、自らに責任があるとは明言しませんでした。吉田委員長は、重ねて質問をしようとしましたが、社長はこれを遮りました。

 2点目は、事業報告書には、第三分野商品の金融庁の行政処分については触れられているが、自動車保険の不払いや火災保険取り過ぎについては、一切触れられていないという問題も指摘し、「不払い問題」について真摯な反省しているのか、と質問しました。これに対しては、消費者にお詫びもしているし、深く反省しているという趣旨の説明を繰り返しました。

 3点目は、外勤社員制度廃止問題は、昨年の株主総会で「解決のために誠実に精力的に労使交渉を進める」と約束したにもかかわらず、3月には判決、5月には命令で断罪されるという事態に至り、紛争はかえって拡大している。法令遵守の観点から、株主全体の利益のためにも、いつまでに、どのように解決するのか、コミットメントすべきだと、見解を求めました。
 これに対し、石原社長は、ここぞとばかり、担当役員に、外勤社員制度廃止に関して、制度廃止の理由を正当化し、東京地裁の判決を都合よく説明し、労働委員会が命じるような支配介入をしている認識にはないなどと、勝手な説明を長時間にわたり行いました。これに対し、吉田委員長は、株主には発言を遮りながら、経営が自分達の側からの説明を長時間にわたって行うのはアンフェアだと指摘。組合員から金を奪い、他の組合と差別していることは明らかであり、直ちに金を返してほしいと要求しました。これに対し、経営陣は、正当な手続にしたがっているなどと言い逃れしたため、吉田委員長は、「私の金をどろぼうして、あの人に渡したから、あの人から返してもらえと言うのはおかしいではないか」と なおも責任を追及しました。

 4点目は、石原社長が損保協会長として発したステートメントにあるように、保険募集人の資質の向上が求められている折、もっとも資質のある外勤社員を、経済合理性を理由に切り捨てるのはおかしい、と質問しました。
 これに対し石原社長は、企業の判断として正当だと答えたため、吉田委員長は、顧客との信頼関係を誰よりも築いている募集チャネルである外勤社員を切り捨てるのは、企業判断としておかしいと質問。石原社長は、株主の利益のために、経済合理性に基く判断がいる。もし、株主に対する責任を放擲してもよいというのか、などと述べてきました。
 この発言を受け、吉田委員長は、「とんでもない誤りだ。CSRの観点では、労働者や労働組合を差別せず、権利を守ることは重大な観点であり、株主が投資する際に、CSRは重視される」「野村證券が、男女差別を理由にSRIの投資不適格とされたことをどう考えるのか」と認識をただしました。その上で、外勤社員切捨て・組合差別の問題を、国連のグローバルコンパクトジャパンネットワークに情報提供していることを伝え、「このままでは、株主に重大な不利益を及ぼす。直ちに解決をコミットメントせよ」と迫りました。
 これに対し石原社長は、誠実に労使協議を重ねていくなどという言葉を繰り返すだけでした。

 引き続き、多くの株主が発言をしましたが、その多くは、「不払い問題」の事実や原因の説明を求め、経営陣の責任を問うものでしたが、石原社長は「すでにお話済み」と繰り返しました。

 全損保の株主団からも計5名が質問に立ち、経営者の責任を追及し、外勤社員制度廃止問題の全面解決を要求しました。大田決さんは「支払うべき保険金を支払わなかったという問題の本当の原因は説明されていない。経営陣のいうとおりに商品をつくり、販売し、事故処理を進めてきたから、こうなったのではないか。これが本当の原因ではないのか。」「明らかに経営の責任でないか。なぜ認めないのか。東京海上日動には優秀な人材はたくさんいるのだから、経営陣は退陣し、交代すればよいではないか。」と怒りを込めて石原社長に迫りました。石原社長も、このときばかりは動揺したのか、「大田さんのご指摘されることは…」と、実名入りで回答。しかし、その中身は、「すでにお話したとおり」と責任逃れをしました。

 吉田委員長は再び質問に立ち、「先ほどの質問に答えていない。社長から会長になるのは引責なのか、引責と言うなら、なぜそう言えるのか」と回答を求めました。石原社長はうつむきながらしどろもどろになりましたが、「合併や海外事業などの政策に東奔西走した経験を肌身で伝えていくことが責任だ」などと説明しました。吉田委員長は「そんなことは世間では責任とは言わない」と追及しましたが、石原社長は質問を打ち切ろうとしました。この不当な態度に、吉田委員長は、石原社長の進めた政策が「不払い問題」につながったのではないか、と質問を続けました。しかし、石原社長は、「社長は逃げるな」の野次で一時騒然となる中、質問を打ち切りました。

 その後、何人かの質問を受けましたが、まだ質問者が挙手をしている中で、石原社長は終了を宣言。「異議あり」の怒声の中で質疑は打ち切られました。

 株主総会を通じて、東京海上日動の経営陣が「不払い問題」にいかに真摯に向き合っていなかったか、が明らかになりました。石原社長は、現経営陣が進めた政策が「不払い問題」をもたらした、という本当の原因を明らかにすることを避け、あくまでも、責任を取ろうとしていません。居座るのが責任というなら、この会社は何も変わらず、ついには滅びるのではないでしょうか。




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