秋のたたかいを意気高くとりくむ決議

 ウクライナ危機、イスラエルによるガザ侵攻を発端とした中東での戦禍拡大などを背景とした物流の滞り、穀物やエネルギーの価格高騰は長期化し、世界各国での物価高は続いています。加えてアメリカのトランプ政権による高関税政策などが世界経済の先行きを不透明にさせており、市民生活に暗い影を落としています。日本では、円安、インバウンド効果によって大企業の内部留保が過去最高を更新する一方で、歴史的な物価高が家計を直撃し、春闘における賃上げを経てもなお実質賃金は安定的に上昇せず、個人消費が停滞するなど、国民にはかつてない将来不安が広がっています。
 こうしたなか、2月の衆議院選挙で圧勝した自民党と日本維新の会の連立政権は、“数の力”を前面に押し出した国会運営をおこない、2026年度予算案も含めて野党の反対を押し切って各種法案を強行に成立させています。また高市首相は、自らが主宰する日本成長戦略会議のなかで長時間労働の温床になるとされる裁量労働制の対象を拡大する検討を財界の要望を受けてすすめています。さらには、防衛費の倍増をすすめ、「防衛装備移転三原則」と運用指針を改定し、殺傷・破壊能力のある武器の輸出を事実上全面解禁するなど、国民の思いに反して「戦争ができる国」への道を突き進んでいます。 こうした政治に対する抗議の声や行動を労働組合・民主団体から市民へ広げ、いまを変える歴史的な変化を現実のものとしていかなければなりません。そして、国民の声や思いが重視され、いのちや暮らしを守り、この国の平和と民主主義が大切にされる「次の時代」を手にする力は、私たちの声と行動です。
 損保では、大手社を中心にすすめてきた「収益力の強化」をめざした政策が、一連の不祥事を引き起こし、保険業法や監督指針の改定、「代理店業務品質評価制度」が導入されるなど、これまでの損保経営の姿勢が厳しく問われています。損保各社では、こうした動きに対し、様々な対応をすすめていますが、自己学習や会議、報告が増加し、働く者に負荷がかかる状況となっています。加えて、不透明な経済情勢、多岐にわたる課題のすべてにスピードが求められるなか、事業環境の先行きに対する損保経営の危機感は強まっています。そうしたことから大手グループ経営の「収益力の強化」をめざす姿勢は変わらず、労働生産性の追求や「合理化・効率化」を具体化する施策がすすめられています。こうした政策の歪みや矛盾は、働くものの生活と雇用、労働条件を脅かし、職場には働きがいの喪失と「不安」が蔓延しています。健全な損保産業の明日、働きがいのある職場や生活の改善を実現させていくためには、そこに働くものの声と思いから運動をすすめていくことが重要です。
 新年度私たちは、長い歴史のなかで実践してきた運動を土台に、コロナ禍でも知恵を出し合い工夫を凝らして運動を絶やさなかった経験を大切に、組合員との接点を可能な限りとりながら、「人が集まって語り合う」場の大切さを忘れずに、この労働組合への結集をはかり、産業別単一組織の良さをもつ「全損保らしさ」をいかして運動を前進させていきます。そのスタートに秋のたたかいを位置付け、〇雇用と人間らしく働ける職場を守る、〇損保産業の社会的役割を守る、〇人間を大切にする労働組合として奮闘するの3本の柱でとりくみをすすめます。働くものの生活と雇用、労働条件を守り抜き、国民的課題にもとりくむ決意をあらためて固め、秋のたたかいを意気高くとりくむことをここに決議します。
2026年9月16日
全損保第94回定期全国大会



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