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春闘宣言 |
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各地で勃発する戦争や紛争、長期化する物価高、高関税政策とともにベネズエラ、イランへの武力攻撃など力づくで自国第一を貫くトランプ大統領の政策などによって地政学的リスクは高まり、様々なリスクを抱える世界経済の先行きは予断を許しません。 日本では、円安、インバウンド効果などによって大企業を中心に好調な業績のもとで内部留保は過去最高を更新しています。しかし、莫大な利益をあげる大企業の労働分配率は下がり続け、この間の春闘における賃上げ水準は、労働者の期待するものとはなっていません。そして、物価はこの5年間で1割以上上昇し、実質賃金は減り続けており、国民・労働者の生活はますます厳しさを増しています。また、物価上昇を価格に転嫁しづらく人件費の高騰という課題を抱える中小企業の経営は圧迫され、大企業における“黒字リストラ”も相まって、国民・労働者にはかつてない将来不安が広がっています。 こうしたなか大義なき解散・総選挙が実施され、物価高対策など一連の経済政策が遅れることになりました。大勝した自民党を土台とする高市政権は、裁量労働制の拡大をはじめとした労働時間規制の緩和に強い意欲を示し、最低賃金の引き上げについても慎重な姿勢を示しています。さらには、防衛力の増強や憲法改正の必要性を強調するなど、平和と民主主義を危うくする政策を強硬にすすめる危険性も生じています。 春闘にむけては、高市首相が「(賃金上昇率が5%を超えた24年や25年と)遜色ない水準の賃上げ」「物価上昇に負けないベースアップの実現」の協力を財界に求めています。これに対し財界も、「ベースアップを賃金交渉のスタンダードに位置づける」としており、多くの経営者がベースアップを含む賃上げに意欲をみせています。 損保では、国内で大規模な自然災害が少なかったことで本業の収益が改善し、加えて大手各社が進める政策保有株式の売却などが利益を大きく押し上げ、大手グループでは過去最高益を更新しています。しかし、事業環境の先行きは、リスクを抱えて停滞する経済情勢のなか、既存市場の縮小、ビジネスモデルの変化やデジタル化、一連の不祥事への対応など多岐にわたる課題が存在し、そのすべての対応により一層のスピードが求められていることから、各経営の危機感は強まっています。そうしたなか大手経営には、これまでのマーケットシェアを重視した政策の見直しが求められています。しかし、労働生産性の追求、引受規制の強化や商品改定など、各社の政策すべてが「収益力の強化」をめざしたものとなっていることに変わりはありません。こうした政策と自社利益を最優先に消費者不在の姿勢、長年の商慣習などを要因に一連の不祥事は生じました。その結果、損保の信頼は損なわれ、消費者から厳しい目が向けられています。こうしたなか損保の職場には多様な「歪み」がふりまかれ、働く仲間の雇用や生活、権利、労働条件が脅かされています。そして、将来や雇用、生活や処遇、賃金や働き方に対して、不満や不安は広がっています。私たちがとりくんだアンケートには、数多くの「何とかしてほしい」という厳しい現実、切実な実態や思いが訴えられ、物価上昇に負けない大幅賃上げを柱とする“要求”がかつてなく強まっていることも明らかとなりました。一方、経営にとっても、自らが進める政策を実現するためには、労働者の主張には真摯に耳を傾けざるを得ないことに変わりはありません。 私たちは、2026年春闘を、「生活改善をめざし、大幅賃上げ実現にむけたたかう」としたスローガンのもと、○雇用と人間らしく働ける職場を守る、○産業の社会的役割を守る、○人間を大切にする労働組合として奮闘する、の3本を柱にたたかいます。いま最も求められる生活を改善するための賃上げをはじめとした要求と課題を掲げ、その実現にむけて組合員の力を結集し、全損保統一闘争のもと、知恵と工夫で主張と団結を強め、確信をもって春闘をたたかいます。 本日確立された春闘方針のもと、明日一斉に要求書を提出し、諸要求実現のため、職場で、地域で、機関と職場が一体となって2026年春闘勝利にむけたたかうことをここに宣言します。 |
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2026年3月11日 全損保第93回定期全国大会 |
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