参議院選挙にあたって訴えます

国民が幸せになれる政治とするために
確かな一票を投じよう



 本日公示され7月10日に投開票がおこなわれる参議院選挙は、私たち国民にとって大変重要な選挙となります。

 組合員のみなさん
 コロナ禍が長期化するいま、国民にはかつてない将来不安が広がっています。感染者数は増減を繰り返し終息の目途が立たず、医療体制の危機は現実のものとなっています。先進国で唯一賃金が上昇せず、物価の急激な高騰によって実質賃金は低下していることで個人消費は落ち込み続け、コロナ禍を理由とした倒産や解雇、雇止めが増加しています。加えて、大企業の内部留保が過去最高を記録する一方、中小零細企業の経営は厳しい状況に置かれており、企業間格差を拡大させています。そうしたなか岸田政権は、万全なコロナ対策を強調していますが、その政策はアメリカと財界を優先する経済対策に主眼が置かれており、医療体制の充実やケア労働者の処遇改善は期待とはほど遠く、国民の不安に応えるものとはなっていません。さらには、「政治とカネ」の問題などに対して事実を説明しようとせず、隠ぺいする動きを続けており、その姿勢は厳しく問われています。
 また、民意を無視して法改正、法解釈の変更を繰り返し、2015年9月の安全保障関連法成立以降、自衛隊に新任務を付与し、沖縄の米軍基地移設を強行し続けています。さらには、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻、中国や北朝鮮の脅威を背景に、防衛費の拡大、敵基地攻撃の強化、憲法9条を中心とした改憲の必要性を強調するなど、これまで守ってきた平和と民主主義を破壊しようとする動向に、国民は危機感を持っています。

 組合員のみなさん
 いま、政治に求められるのは、適切な財政出動でコロナ禍を終息させ国民の不安を払拭することです。そのうえで、各地で発生する大規模災害からの地域住民が望む復興と、国家財政の健全化、労働者の雇用の安定と賃金引き上げによる個人消費の活性化によって内需が拡大し、誰もが景気回復を実感できる経済政策の遂行です。さらには、平和と民主主義を守り、国民・労働者が幸せに暮らせる国に向かう方向性を示すことです。今回の参議院選挙は、このような政治のあり方がまさに根底から問われる選挙です。大事なことは、アメリカ、財界優先の政治ではなく、国民の暮らしを最大限優先する政治の針路に変えたいという願いを、どの政党、どの候補者に託せば、その実現がはかれるのかを真剣に考え、主権を発動することにあります。憲法改悪や原発再稼働などに反対する多くの国民の声や行動は、いままさに日本が歴史的岐路にあることを示しており、私たちが、大きく視野を広げ、その思いを投票に結びつけたとき、この選挙の結果が日本の将来を変えていく力になるはずです。
 損保ですすめられる「収益力の強化」をめざした政策の先行きも、政治のあり方、この国の針路と結びついています。将来に向けた不安を解消し、展望を持って、家庭で、職場で、人間らしく生き、誇りと働きがいを持って働くことができるように、私たち一人ひとりが、それぞれの思いを一票に込めることが大切です。根底からこの国の針路をただし、産業と職場、一人ひとりの明日を変えようではありませんか。

 組合員のみなさん
 そのためにも、組合の会議や職場で率直に討論や意見交換が行われ、一人ひとりが選挙の争点を十分に理解し、投票に臨むことを期待します。期日前投票なども活用し、必ず一票を投じましょう。また、選挙の基本的な前提として、組合員の思想・信条、政党支持の自由が保障されなければなりません。そのことからも業界ぐるみ、企業ぐるみの選挙は断じて許されません。
 すべての組合員のみなさんが、この参議院選挙へ積極的に参加し、私たち主権者の代表を選ぶ大事な一票を投じることで確かな選択をされることを心から呼びかけます。

2022年6月22日
全日本損害保険労働組合
常任中央執行委員会(拡大)



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