2012年11月7日

金融庁
内閣府特命担当大臣 中塚一宏 殿

全日本損害保険労働組合
中央執行委員長 浦上義人


『一人一言』運動に関する申し入れ書

 全損保では、昨年1年を通して、これまでで5回目となる『一人一言』運動にとりくみました。

 今、この国では、政治も経済も先行きは不透明で、東日本大震災と原発事故の影響は今後も長らく続くことが想定されています。そうしたなか、損保産業では、「再編」合理化情勢がいっそう深まっており、各社は、収益力の強化を第一とする政策を押し進めています。そのもとで、効率化もより強化されており、それが働く者の生活と雇用、労働条件に大きな影響を与え、「私の会社は、私は、どうなってしまうのか」という将来不安が増大しています。

 『一人一言』運動は、このような時代に、そこに働く者が「いまの現実を語り、明らかにする」ことを趣旨に、企業や職場をこえて「集まり、語り合う」という産業別単一組織をいかした運動となりました。最終的には、組合員数に相当する6,235名という多くの声と思いが集まり、損保、職場、生活の今が明らかになりました。

 その中では、自由化以降のリストラ「合理化」により、生活、労働条件が悪化し、将来への不安が増している実態、自身の業務を通して実感する損保産業の歪みや社会的役割の喪失など、損保、職場、生活、将来を憂う声が多く寄せられています。一方で、震災対応の応援派遣で被災地に行った仲間からは、「損保の社会的役割を再認識した」という声もありました。さらには、損保にとどまらずに視野広く、国民不在の政治に対する怒りの声や「平和と民主主義を守りたい」とする声なども、多く寄せられています。

 このような損保に働く者の声と思いを、運動の成果として、冊子「時代をみつめ明日につなげる」にまとめ、この秋、全組合員に配布しています。そして、9月に開催した全損保第69回定期全国大会では、今年度の運動方針の骨格に、『一人一言』運動の到達点を土台にすることを確認し、この声を組織内に留めず外にも広げていくこととしています。ついては、行政、協会、各経営、関係諸団体・労働組合にこの冊子をお渡ししますので、損保労働者の実態を知っていただきたいと考えます。

 この声は、損保に働く者の切実な声です。貴庁におかれても、お渡しした冊子を十分お読みいただくとともに、金融行政として損保産業が社会的役割を発揮し、健全に発展するための監督指導にいかしていただくよう申し入れします。 

以 上



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