秋のたたかいを意気高くとりくむ決議

 欧州の財政危機は、市場不安を生み、世界経済全体に暗い影を落としています。そのもとで日本経済も、歯止めがかからない円高による貿易収支の悪化が、大企業・製造業の業績に大きな影響を与えています。このような「危機」を突破するため、財界・大企業は、さらなるリストラ「合理化」を押し進めていることから、国民・労働者の犠牲は強まっています。そして、復興支援、原発事故被害の救済は遅々としてすすまず、消費増税、TPPへの参加、原発再稼働など、国民の声や思いに逆行する形で政治はすすめられています。

 こうした状況は、損保産業にも大きな影響を与えています。経済情勢の悪化、大規模自然災害の多発により、各社収益が圧迫されていることから、損保経営の危機感はさらに強まっており、再編「合理化」情勢第二幕の先行きはますます不透明なものとなっています。そのもとで遮二無二すすめられる収益の確保と収益力の強化のための施策が、働くものの生活と雇用、労働条件を脅かしています。

 しかし、多くの市民が全国各地で「原発再稼働」反対の声をあげはじめているように、「命と暮らしを守りたい」との思いは、国民一人ひとりの声や行動となって表れ、「いまを変えたい」という歴史的な変化をつくりだしています。国民・労働者が大切にされる「次の時代」を手にする力は、国民・労働者の声です。同様に、健全な損保産業の明日も、働きがいのある仕事や生活も、そこに働くものの声があってはじめて実現します。私たちは、「集まって、語り合って」とりくんだ『一人一言』運動で、多くの仲間の声と思いを手にしました。そこに書かれた声と思いこそ、明日を手にする力になります。

 2013年度、私たちは、『一人一言』運動の到達点を土台に、企業や職場をこえて励まし合う「全損保らしさ」を大切に、求められる労働組合の役割発揮を追求していきます。そのスタートとして秋のたたかいを位置付け、雇用と人間らしく働ける職場を守る、損保産業の社会的役割を守る、人間を大切にする労働組合として奮闘する、3本の柱でとりくみをすすめます。働くものの生活と雇用、労働条件を守り抜く決意をあらためて固め、この労働組合に結集し、秋のたたかいを意気高くとりくむことをここに決議します。

2012年9月21日
第69回全損保定期全国大会



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