2012年春闘アピール
「一人一言」を力に、
職場からたたかう2012年春闘

組合員のみなさん
 拡散する欧州債務問題、米国の財政問題と景気低迷、新興国の景気減速などが、世界的な株式市場の低迷や、かつてない為替相場の変動をもたらし、世界経済危機は、先行き不透明に深まっています。
 日本経済は、東日本大震災の復興特需も見込まれるものの、世界経済危機の影響を強く受けるなか、長期的には低迷が予想されています。さらに、歴史的な円高水準の長期化やタイの洪水に象徴される天災などが、大企業の業績に大きな影響を与え、海外への移転、国内空洞化の懸念も強まっています。こうしたなか、財界はさらなるリストラ「合理化」を徹底し、労働者に犠牲と痛みを押し付けながら「危機」を乗り切ろうとしています。  しかし、政治は、東日本大震災や福島第一原発事故からの復旧、復興に向けた政策が進まず、財政赤字、社会保障費用の拡大を理由とする消費税増税やTPPへの交渉参加を表明するなど、米国、財界の要望を受け、ゆれ戻されながら国民不在のものとなっています。
 こうした情勢のもと、損保においても、各経営の危機感は強まり、再編「合理化」情勢第二幕は深まっています。各社は、国内市場の縮小に加え、大規模自然災害の発生などにより、収益が圧迫されるなか、収益確保と収益力強化に躍起になっています。大手3グループは、国内での顧客囲い込み、海外でのM&Aを推し進め、さらなる規模と効率化を追求しています。そこに巻き込まれる中堅社は、絶えず収益力の強化が迫られることになり、さらなる合理化・効率化を押し進めています。そのもとで、損保労働者の生活と雇用、労働条件が脅かされています。「年中キャンペーン」とも言われる営業督励がすすめられ、徹底した数値管理と個人責任の追及など、経営の危機感の強まりがあらゆる面で職場に歪みをもたらしていること、一人ひとりがその矛盾に悩み心身が疲弊していることが、この間とりくんできた「一人一言」に書かれた組合員の声と実態に表れています。
 こうしたことから、2012年春闘要求討議においては、会社、賃金、雇用への「将来不安」が損保に働くものすべての共通項であることが明らかになり、私たちの将来を確かなものにしたいという要求と労働組合への期待が強まっています。一方で、労働者一人ひとりの頑張りが必要不可欠であることから、経営としてその真摯な主張に耳を傾けざるをえないことも、私たちはしっかりとらえておかなければなりません。

組合員のみなさん
 2012年春闘は、激変する損保情勢のもとで、「一人一言」運動、アンケートをはじめとした各種調査などで明らかになった一人ひとりの思いを大切に、すべての組合員が労働組合に結集し、私たちの明日をきりひらくためにたたかう春闘です。私たちはこの春闘で、
いま、もっとも求められる要求・課題を掲げ、労使交渉、職場会、交流・共同の場、情宣活動などあらゆる場を通じて主張を全面展開し、機関と職場一体で奮闘します。
激動情勢の根幹を握って離さず、労働組合の力と可能性に確信を持ち、「生活と雇用、労働条件を守る」という不動のスタンスのもとでたたかいます。
お互いが直面する課題やとりくみを全体で共有し、納得と合意を大事にたたかいをすすめます。

 自らの手で明日をきりひらくため、「一人一言」を力に、職場からこの春闘をたたかおうではありませんか。



2012年1月14日
全日本損害保険労働組合支部地協代表者会議




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