春闘宣言

 3月11日に発生した「東北地方太平洋沖地震」は、大津波、ライフラインの長期停止などを引き起こし、かつてない犠牲者といまなおギリギリの生活に苦しむ被災者、避難者を数多く生みました。さらに、津波により全電源を喪失した福島第一原発は、現在も放射性物質の流失が止まらず、『レベル7』という最悪の事態となり、被災地のみならず多くの国民が危険にさらされる状況となっています。そして、1ヵ月以上経過した今もなお、余震が毎日のように発生し、被災地の復興、ライフラインの復旧も思うように進まず、被災された方々は安心して眠ることのできない日々が続いています。あらためて、この「東日本大震災」の痛ましい犠牲となった方々に謹んでお悔やみ申し上げるとともに、すべての被災者の方々に心よりお見舞い申し上げます。
 この未曾有の大震災からは、想像を絶する自然災害の凄まじさを知らされ、その備えや電気、ガス、上下水道など文字通りライフラインの大切さ、そして、何よりも生命の尊さをあらためて認識させられました。一方で、困難になればなるほど、人々が助けあい、支援の輪が広がることを事実として学んでいます。また、これまで指摘してきたとおり、国民・労働者が大切にされる政治への転換の必要性もはっきりしました。今後、「大震災からの復興」をはかるためにも、国民・労働者が大切にされる政治・経済活動、企業活動が求められ、労働組合にも大きな役割が課せられています。
 このようななか、私たちが働く損保産業は、「補償の担い手」として、いまこそ役割発揮のしどころです。この間指摘してきたとおり、損保再編「合理化」情勢第二幕の深まりのもと、大手社を中心に規模と収益力の拡大をめざした効率化競争は加速してきました。しかし、この未曾有の大震災に直面し、そのような力任せの競争をする産業ではなく、本来持つ社会的な役割を発揮する産業であり続けることが求められており、そこにこそ産業の将来を見通すことができます。いま、損保に働く仲間は、役割発揮のため、日夜懸命に業務を行っています。全損保は、義援金といった被災地支援のとりくみとともに、損保に働く仲間の安全を確保し、生活と労働条件を守るとりくみを、大事にすすめてきています。
 私たちは、2011年春闘を、被災地の一刻も早い復興を願い、そのためにも損保産業の役割発揮に向けた環境を守り、働く仲間の生活と雇用、労働条件を守るため、「一人ひとりの思いにたって、主張を力にたたかう」をスローガンに、○雇用と人間らしく働ける職場を守る、○産業の社会的役割を守る、○人間を大切にする労働組合として奮闘する、の3本の柱でたたかいをすすめます。いま最も求められる要求と課題を掲げ、統一闘争のもと、働くものの主張を全面展開し、その実現のため全力でたたかいます。
 本日確立された春闘方針のもと、諸要求・諸課題の実現のため、職場で、地域で、機関と職場が一体となって、2011年春闘をたたかうことをここに宣言します。

2011年4月23日
全損保 第90回中央委員会



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