2011年春闘アピール
一人ひとりの思いにたって、
主張を力にたたかう2011年春闘

組合員のみなさん
 世界経済危機に対し各国は、多額の財政出動を行いました。しかし、それは急場しのぎでしかなく、経済の本質を転換させるものとはなっていません。逆に国家財政の悪化によって新たなリスクが顕在化することにもなり、「危機」は複雑でいっそう深まったものとなっています。日本でも、景気停滞が長期化しています。一部の大企業では、新興国への進出とともに、リストラ「合理化」、従来の枠を超えた事業再編などによって、業績を回復させているものの、それは国民の生活に反映されず、「就職氷河期」といわれる雇用情勢などからも明らかなとおり、「危機」を突破するために、ますます労働者に犠牲と痛みを押し付け、乗り切りをはかるものとなっています。
 損保においても、こうした情勢のもとで国内市場が収縮する中、再編「合理化」情勢第二幕が深化しています。昨年4月に誕生した「メガ損保」により、かつてない寡占化が現実のものとなる中で、大手3グループはなりふり構わずスケールメリットを生かした顧客囲い込みとともに、さらなる規模と効率化を追求し、大手と体力格差が拡大する中堅社は、絶えず収益力の強化が迫られる状況となっています。そのもとでは、損保産業の社会的役割は損なわれ、損保に働くものには、徹底した人件費・物件費の削減、数値管理の強化、顧客サービスとミスのない仕事、代理店の効率化などが同時に求められ、一人ひとりがその矛盾に悩み、心身が疲弊する状況となっています。
 こうしたことから、2011年春闘要求討議においては、会社、賃金、雇用への「将来不安」が損保に働くものすべての共通項であることが明らかになり、私たちの将来を確かなものにしたいという要求と労働組合への期待が強まっています。

組合員のみなさん
 2011年春闘は、損保の激変情勢のもとで、一人ひとりの思いを大切に、すべての組合員が労働組合に結集し、私たちの明日を手にするためにたたかう春闘です。私たちはこの春闘で、
いま、もっとも求められる要求・課題を掲げ、労使交渉、職場会、交流・共同の場、情宣活動などあらゆる場を通じて主張を全面展開し、機関と職場一体で奮闘します。
激変情勢に向き合い、労働組合には「変える力」があることに確信を持ち、「生活と雇用、労働条件を守る」という不動の原点にたってたたかいます。
お互いが直面する課題やとりくみを全体で共有し、納得と合意を大事にたたかいをすすめます。

  自らの手で明日をつかむため、一人ひとりの思いにたって、主張を力にこの春闘をたたかおうではありませんか。



2011年1月15日
全日本損害保険労働組合支部地協代表者会議




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