秋のたたかいを意気高くとりくむ決議
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アメリカと財界の要望を受けた「構造改革」は、国民に多くの犠牲を押し付け、この国の経済・社会を大きく歪めてきました。それにもかかわらず、この国の政権は、増税、医療・年金改悪、労働法制の改悪など、これまでの道を反省するどころか、さらに強めようとしています。また、イラク戦争などを梃子に、「日米同盟」をふりかざし、自衛隊の海外での武力行使まで正当化する動きも強められています。このような動きは、国民の基本的人権と個人の尊厳を不可侵とし、戦争放棄を国是とする憲法と根本でぶつかりあうものです。そしていま、なし崩し的に、憲法さえ改悪してしまおうという乱暴な方向が声高に叫ばれています。 しかし、この道を推し進めるほど、真に国民が願う道との矛盾は拡大し、目に見えなかった危険な狙いが明らかになっていきます。そのために、国や資本は、矛盾を承知で突破をはかろうとし、「おかしい」という声を押さえ込む力を強めています。だからこそ、私たちが「新しい時代」と呼ぶいま、押さえ込む力に抗して、目の前の「現実」に「おかしい」と声をあげれば、共感の力は一気に広がり、明日を変える条件を手にすることができます。 損保でも、1998年の「自由化」以降の過当競争が、「保険金不払い問題」という事態を招きました。大手2社への「業務停止命令」は、競争激化が生んだ「歪み」全般を対象とし、営業偏重の経営姿勢、内部管理態勢の不備を指弾しています。しかし、根本の「自由化」そのものは反省されず、「処分」と「競争」は「自由化」を加速させる車の両輪となっています。 働くものは誰しも、社会的役割と無縁な競争激化ではなく、社会的役割を果たせる真に「健全」な損保産業の発展を望んでいます。その願いが、「処分」と「競争」の加速でかなえるのか、大きな不安も広がっています。しかし、働くものは、日々、行政の厳しい姿勢への対応、「コンプライアンス」の重圧と歪み、余裕のない職場環境、すみずみに張り巡らされる成果主義などにさらされ、モノいえぬ職場の中で声がかき消されています。 いま、この国、この産業、一人ひとりの将来のため、労働組合が真に「働くものの主張の主体として共感を広げる」存在になれるのかどうか、が正面から問われています。私たち全損保は、基本スタンスに依拠し全力で努力を重ねています。この1年も、「働くためのコンプライアンス運動」、2006年春闘、労働実態調査、「保険金不払い問題」などの声明や申入れ、全体で確認した朝日闘争の全面勝利解決、日動外勤のたたかい、サマージャンボリー、女性のつどいなど、運動のすべてが、「新しい時代」の中で、労働組合の役割発揮を追求してきた私たちの姿です。2007年度も私たちは、このスタンスにさらに磨きをかけ、運動を構築していきます。 そのスタートとして秋のたたかいを位置づけ、
2006年9月19日
第63回全損保定期全国大会 |
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