新年のごあいさつ

70年間で実践してきた運動を土台に

22019年1月 全損保中央執行委員長 浦上義人

 「景気を浮揚させる」としてすすめてきた安倍政権の経済政策は、一部の大企業に巨額の利益をもたらしてきましたが、為替や株価は大きく変動し、リスクが内在する金融緩和やマイナス金利政策の「出口」は見通せていません。そして、円安効果が享受されなかった中小零細企業の経営は相変わらず厳しい状況に置かれ、この秋に実施が決まっている消費税増税、社会保障費の負担増などによって、国民・労働者には将来不安が広がっています。物価上昇が停滞しているにもかかわらず低水準の賃上げによって、実質賃金は伸びていません。好調が伝えられる雇用関係指標も、少子高齢化による生産年齢人口の激減が影響しているとの分析もあります。こうしたことから、消費支出は毎年下がり続け、景気回復を実感できない状況となっています。さらに安倍政権が「働き方改革関連法」を強い反対の声を無視する形で成立させたことで、労働者をとりまく環境も大きく変化しています。そして、自衛隊の任務を拡大し、改憲に強い意欲を示すなど、国民の意思に反して日本の平和と民主主義の危機も深まっています。

 損保産業では、各社とも国内業績は好調に推移していましたが、昨年の相次いだ大規模自然災害によって、通期決算に影響を与えることが想定されています。さらには、多様化するリスクと顧客ニーズへの対応、IT化や技術革新に伴うビジネスモデルへの対応などが求められるなど、事業環境の先行きが不透明なことを理由に、損保経営の危機感は依然として強くなっています。そのもとで、大手グループは、国内でのマーケットシェア競争を激化させ、海外事業のさらなる推進や新規事業領域での収益拡大をめざしています。中小社もこうした競争に巻き込まれ、各社の政策すべてが「収益力の強化」をめざしたものとなっており、労働生産性を追求する動きが強まっています。店舗の統廃合や事務集中による要員削減がすすめられ、役割や働き方の「改革」も全社に広がっています。また、災害対応では、労働実態の悪化が顕著になるとともに、「早期支払い」自体が競争となるなど、産業の社会的役割が歪められています。こうした施策は、職場に多様な「歪み」をふりまき、働く仲間の雇用や生活、労働条件を脅かし、働きがいの喪失と「不安」が蔓延する職場をつくりだしています。その象徴的な出来事が、ニューインディア社とゼネラリ社における雇用問題でした。「収益が思うように上がらない」という理由で、雇用に手をかけ雇用責任を蔑ろにする乱暴な出方であり、損保産業や各社の政策遂行、損保に働く仲間に重大な影響を及ぼしかねないことから、全損保全体でたたかい、両者とも経営に雇用責任の重大さを認識させ、当事者が納得できる解決をはかることができました。

 このようななか迎えた2019年は、何よりも国民や働くものの声や願いが優先される1年にしていかなければなりません。そのためにも、いまが私たちの声と力で情勢が変えられる歴史的転換点であることに確信をもち、いのちとくらし、平和と民主主義を守るため、働くものが声をあげ、労働組合をいかして運動をすすめていくことが求められています。

 今年11月5日、全損保は結成70周年を迎えます。「仲間の声と期待を力に全損保らしく歩みつづける」のスローガンのもと、70年間で実践してきた運動を土台に、企業や職場の違いをこえて集まり、励まし合い、国民的課題の運動にも多くの労働者と連帯して参加する、という「全損保らしさ」を大切に、損保に働く仲間が安心して働ける職場をめざして運動をすすめていきます。私も、この労働組合の先頭に立ち、“人間の視点”、“働くものの視点”を大切に、奮闘していく決意です。
 今年も、みなさんにとってより良き1年となることを祈念し新年のあいさつとします。




このページのTOPへ