4・18終日行動 夜にはシンポジウム
写真:統一行動 東京海上日動社への要請 写真:シンポジウムには140人が参加
統一行動 東京海上日動社への要請 シンポジウムには140人が参加

 4月18日は、終日、金融共闘が中心となる「国民犠牲の金融政策を許さず地域経済と暮らしを守る4・18統一行動」にとりくみ、夜には、全損保シンポジウム「この職場から、日本の安心・安全は守れるか」が開催されました。

荒天をつき元気よく行動 共同のとりくみも
写真:朝の意思統一集会 写真:財務金融共同行動と共催の財務省前行動
朝の意思統一集会

財務金融共同行動と
共催の財務省前行動

写真:金融庁への要請 写真:東京海上日動本社前
金融庁への要請

東京海上日動本社前

 統一行動は、同日開催となった国公労連などがとりくむ財務金融共同行動や、東京争議団争議支援総行動などと、可能な場面で共同し、とりくみをすすめました。
 早朝の財務省前や東京海上日動本社前などでの宣伝行動を終えると、「ティアラ江東」で意思統一集会を実施。100名以上が詰め掛け、金融をとりまく情勢と行動の位置づけ、金融3争議(東京海上日動火災の外勤社員切り捨て事件、日産センチュリー証券の金子副委員長不当配転・組合つぶし事件、AIGスター生命の嘱託職員雇い止め・解雇事件)を中心とした争議の現状を確認し、当日の行動の意思統一をはかりました。
 大雨の荒天となりましたが、元気よく行動を展開。金融3争議についてはそれぞれ本社前抗議行動が行われました。東京海上日動本社前の抗議行動では、財務金融共同行動実行委員会を代表して国公労連川村副委員長からも からも激励のあいさつがありました。昼休み財務省前行動は、財務金融共同行動実行委員会との共催となり、全国金融共闘を代表し、吉田議長(全損保委員長)があいさつを行いました。
 金融庁への要請にもとりくまれ、国民本位の金融政策を求める要望とともに、3争議の解決に向けた指導を求めました。金融庁の担当官は、労働争議に口は挟めないという立場をとりながらも、それぞれの争議に関心を持ち事情を聞くなどの対応は行っているなどと述べました。

シンポジウムに140人参加
写真:熱心に話を聞く参加者 写真:4人のパネリスト
熱心に話を聞く参加者

4人のパネリスト

写真:総合司会の土方さん 写真:コーディネーターの尾高さん(右)、西田さん(左)
総合司会の土方さん

コーディネーターの
尾高さん(右)、西田さん(左)
 夜には全損保シンポジウム「この職場から 日本の安心・安全は守れるか」が開催されました。パネリストとして、暮らしと経済研究室を主宰する学者の山家悠紀夫さん、航空労組連議長山口宏弥さん、生協労連委員長桑田富夫さんが、全損保からは吉田委員長を迎え、パネルディスカッションを行いました。ディスカッションでは、冒頭、労組を代表するパネリストが、それぞれの産業で、なぜ、安心・安全が脅かされてきたのかを語りました。総合司会は土方達也さん(常任中執・日新支部委員長)、コーディネーターは尾高雄一さん(常任中執・あいおい支部委員長)、西田俊彦さん(常任中執・共栄支部委員長)がつとめました。

各産業の問題が明らかに
根底には新自由主義=「構造改革」が
写真:山家悠紀夫さん 写真:航空連山口議長 写真:生協労連桑田委員長 写真:全損保吉田委員長
山家悠紀夫さん

航空連 山口議長

生協労連 桑田委員長

全損保 吉田委員長

写真:写真や資料を活用しながら報告がすすむ
写真や資料を活用しながら報告がすすむ
 山口議長は、パイロット、整備、客室乗務員の3つの視点から、規制緩和とコスト競争の激化が、具体的に、安心・安全の面にどのような影響を及ぼしているかを明らかにしました。桑田委員長は、「偽装事件」、「安全の軽視」、「農薬や添加物」の問題とともに、餃子事件のような「フードバイオレンス」の問題が表面化している現状に触れ、餃子事件後の職場の状況と議論とともに、「安全の確立」などに向けた「論点」を語りました。吉田委員長は、「不払い、取り過ぎ問題」の原因や背景を改めて整理し、その原因の「自由化」がかえって深化し、さらなる危機を想定せざるを得ない状況が生まれていると語りました。
 これらを受け、山家さんは、全ての問題の根底にある、新自由主義的経済政策=「構造改革」の全体像を語り、その思想(会社は株主のためにある)、政策(労働規制の緩和、資本規制の緩和)が、働く人や中小企業へのしわよせを正当化し、できる「構造」をつくり、せざるを得ない状況を作り出し、安心・安全の問題に結びついていることを明らかにされました。

明日変わる時代 共通項が明らかに
 それぞれの報告の後、討論が行われ、それぞれの産業の競争規制の緩和と労働規制の緩和があいまって、歯止めなくコスト競争が激化していること、「安さ」が追求されるなかで、安心・安全の確保がそぎ落とされていることなど、問題の共通項が論じられていきました。そして、いまを、絶望の時代と見るか、明日が変わる時代と見るかという問いかけに対して、各パネリストは、世界的な労働運動の前進、安心・安全を求める国民の眼とそれにこたえるための労働者の論議や運動、国民の声と力が国政を動かし始めている状況などに触れ、明日を変えることは可能な時代だという認識で一致。このなかで、山家さんは、「構造改革」の矛盾は顕在化し、総資本としても「ヤバイ」状況が生まれていること。このもとで、現場の闘いが社会の共感を生み、それが政治の変革につながるまで、あと一歩だと述べました。
 シンポジウムを通じて、「日本の安心・安全」を脅かす問題が生まれる各産業の共通項が明らかになり、「安心・安全」が守られる明日にするために、根本では同じ問題をかかえる労働者・労働組合がどう手を取り合うか、また、労働者が「働き」の質を守る運動をどうすすめるか、などの重要な論点が浮かび上がりました。シンポジウムには140名が参加しました。

−参加者の感想−
 他産業の話を聞き、規制緩和、そのもとにある新自由主義がもたらしてきたものについて体系だって認識することができた有意義なシンポジウムだったと思います。今後のとりくみにいかしていきたい。

 航空会社でも整備ができない会社があるという話があったが、保険会社にもよく分からずに販売する、知識がないために代理店指導ができない、その結果、顧客にマッチしない保険販売をするということが出てくるのではないか。保険を知らない者が保険販売をする、会ってはならないことが、このままではあり得る様な気がする。

 日本の安心・安全神話がどんどん崩れていく事態について改めて考えさせられました。どの産業でも、職場がよい環境にないとよい仕事はできないというのは共通していると感じました。一人ひとりの意識を変えていくために、私たちがこれからどうすればよいのか、考えていきたいと思います。

 まったく違う職種の人達でありながら直面する問題には少なからず共通点があると感じました。特に航空連議長の話には興味がありました。規制緩和がもたらす悪い面が見えてしまい、なかなか先がよく見えないと感じました。「職場が原点」、組合の原点を考え直すきっかけになりました。


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