総選挙にあたって訴えます

国民が幸せになれる政治とするために、
確かな一票を投じよう



 本日公示され10月22日に投開票がおこなわれる総選挙は、私たち国民にとって大変重要な選挙となります。

 組合員のみなさん
 安倍政権は、政権発足から「景気を浮揚させる」として、経済政策を最優先に異次元の金融緩和をはじめとした「アベノミクス」をすすめてきました。この4年半の株高、円安は、多くの大企業が過去最高益を更新するなど莫大な利益をもたらしてきましたが、その利益の多くは海外でのM&Aや生産拠点の移転に使われ、内部留保は2016年度に403兆円となり増え続けています。一方、円安の恩恵を受けなかった中小零細企業の経営は厳しい状況が続いており、企業間格差は拡大しています。そして、企業が享受した利益は、国民・労働者の雇用や賃金へ行きわたらず、非正規雇用が増加するなど、実質賃金は4年間で約20万円も減少しています。さらには、増税や社会保障費の負担増などによって、国民の先行き不安の高まり、個人消費の冷え込みなど、安倍政権がすすめてきた経済政策の恩恵は大企業にのみ集中し、内需拡大や安定した国民の暮らしには結びついていないことは誰の目にも明らかです。
 こうしたなかでも安倍政権は、自らの経済政策を自画自賛しながら、財界、アメリカの要望を優先し、国民に被害を与える懸念のある各種成長戦略を押しすすめています。その柱として掲げた「働き方改革」も、財界が求める「時間でなく成果で」、「使い勝手のいい労働者づくり」の環境整備にほかならず、経済政策の一環として、私たちの働き方を変えようとするものです。
 そして、この国の将来と、これまで守ってきた平和と民主主義を破壊する政策も、国民の思いや願いに背を向け強行的にすすめられています。かつてない規模で高まった「反対」の声と行動を無視して、特定秘密保護法、「安全保障関連」法、「共謀罪」法を強行成立させ、改憲の具体日程にも言及するなど、「戦争ができる国」へ突きすすむ姿に、多くの国民が危機感を持っています。

 組合員のみなさん
 いま、政治に求められるのは、大震災・原発事故や各地で発生する大規模災害からの地域住民が望む復興と、国家財政の健全化、労働者の雇用の安定と賃金引き上げによる個人消費の活性化によって内需が拡大し、誰もが景気回復を実感できる経済政策の遂行です。さらには、平和と民主主義を守り、国民・労働者が幸せに暮らせる国に向かう方向性を示すことです。今回の総選挙は、このような政治のありかたがまさに根底から問われる選挙です。大事なことは、アメリカ、財界優先の政治ではなく、国民の暮らしを最大限優先する政治の針路に変えたいという願いを、どの政党、どの候補者に託せば、その実現がはかれるのかを真剣に考え、主権を発動することにあります。「安全保障関連」法や原発再稼働などに反対する多くの国民の声や行動は、いままさに日本が歴史的岐路にあることを示しており、私たちが、大きく視野を広げ、その思いを投票に結びつけたとき、この選挙の結果が日本の将来を変えていく力になるはずです。
 損保ですすめられる「収益力の強化」をめざした政策の先行きも、政治のありかた、この国の針路と結びついています。将来に向けた不安を解消し、展望を持って、家庭で、職場で、人間らしく生き、誇りと働きがいを持って働くことができるように、私たち一人ひとりが、それぞれの思いを一票に込めることが大切です。根底からこの国の針路をただし、産業と職場、一人ひとりの明日を変えようではありませんか。

 組合員のみなさん
 そのためにも、組合の会議や職場で率直に討論や意見交換が行われ、一人ひとりが選挙の争点を十分に理解し、投票に臨むことを期待します。期日前投票なども活用し、必ず一票を投じましょう。また、選挙の基本的な前提として、組合員の思想・信条、政党支持の自由が保障されなければなりません。そのことからも業界ぐるみ、企業ぐるみの選挙は断じて許されません。
 すべての組合員のみなさんが、この総選挙に積極的に参加し、私たち主権者の代表を選ぶ大事な一票を投じることで確かな選択をされることを、心から呼びかけます。
2017年10月10日
全日本損害保険労働組合
常任中央執行委員会(拡大)



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