秋のたたかいを意気高くとりくむ決議

 世界経済は、いまだ多くの課題を抱え先行きは不透明となっています。日本では、円安、株高の進行が、大企業・製造業の業績を回復させましたが、その「実り」は中小企業や地域経済には波及していません。「追い風」と言われた春闘においても、国民・労働者の期待には程遠い結果となりました。加えて、消費税増税や物価上昇が国民の暮らしにも影響を与えています。一方財界は、国際競争力の強化と先行き不安を強調し、資本の溜め込みと大規模なリストラ「合理化」を押しすすめており、国民・労働者や、地域経済に重大な犠牲と痛みを押しつけています。

 安倍政権は、財界、アメリカの要望を受け入れ、「世界で一番企業が活動しやすい国」をめざして、雇用破壊とも言える労働法制改悪をはじめあらゆる分野での規制緩和を押しすすめています。さらに、集団的自衛権行使の容認を国民の声を無視する形で強行決定し、「戦争ができる国」への道を突き進む姿勢は、日本の平和と民主主義を危うくするものです。こうした動きに対し、今こそ国民・労働者が立ち上がり、暴走政治にストップをかけ、平和と民主主義のもとで、幸せに暮らせる国にするためにたたかう情勢となっています。

 しかし、集団的自衛権行使の容認反対、原発再稼働反対をはじめとした国民の声や行動は、いまを変える歴史的な変化を生む可能性をもつものです。国民が大切にされる「次の時代」を手にする力は、国民・労働者の声です。同様に、健全な損保産業の明日や、働きがいのある仕事や生活も、そこに働くものの声と思いから運動をすすめていくことで実現します。

 2015年度、私たちは、激変する情勢に向き合い、損保に働くものの声と実態を主張し、企業や職場をこえて集まることができる産業別単一組織の良さをもつ全損保という労働組合をいかす努力を重ねていきます。そのためにも、「運動、組織、財政の見直し」論議の到達点をさらに具体化していきます。そのスタートに秋のたたかいを位置付け、〇雇用と人間らしく働ける職場を守る、〇損保産業の社会的役割を守る、〇人間を大切にする労働組合として奮闘する、3本の柱でとりくみをすすめます。働くものの生活と雇用、労働条件を守り抜く決意をあらためて固め、この労働組合に結集し、秋のたたかいを意気高くとりくむことをここに決議します。

2014年9月19日
全損保第71回定期全国大会



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