秋のたたかいを意気高くとりくむ決議

 世界経済危機は、根本的な解決策を見いだすことができず、依然として不透明なまま深まっています。そのなかで日本は、「アベノミクス」への「期待」から円安、株高が進み、一部の大企業・製造業では急速に業績が回復しました。しかし、期待された賃金の引き上げは行われず、一方で、原材料やエネルギー料金の高騰による一般消費財の値上がりだけが進み、国民生活や中小企業経営を圧迫しています。そして、経済の先行き不透明さを言いたてる財界・大企業は、さらなるリストラ「合理化」を押し進めていることから、国民・労働者の犠牲は強まっています。今後も、TPPへの参加、憲法改悪への策動、原発再稼働、社会保障改悪や消費税増税、労働分野の規制改革など、自公連立政権が押し進めようとする政策は、国民・労働者が安全で安心して暮らしたいという願いとは程遠いものとなっています。  

 こうした状況は、損保産業でも同様です。大手グループを中心に、株価の影響などにより当期利益は急激に好転していますが、保険本業の収益回復が見通せないことから、各社経営の危機感はかつてなく強まっています。そのもとで、「効率化」を前提に進められる統合・合併、収益力強化の具体策は、働くものの生活と雇用、労働条件を脅かし、働きがいの喪失と「不安」が蔓延する職場をつくりだしています。

 しかし、この間起こっている原発再稼働やTPP参加反対の声や行動は、「安心して暮らしたい」、「いまを変えたい」という歴史的な変化を生む可能性をもつものです。国民・労働者が大切にされる「次の時代」を手にする力は、国民・労働者の声です。同様に、健全な損保産業の明日や、働きがいのある仕事や生活も、そこに働くものの声があってはじめて実現します。私たちはその声を『一人一言』運動で手にしました。その声と思いを労働組合が大切に運動を進めていくことがいまもっとも求められています。

2014年度、私たちは、到達点を築いた『一人一言』運動をはじめとした仲間の声からすべての運動を進めていきます。企業や職場をこえて集まれる産業別単一組織という良さをもった全損保という労働組合をいかして、役割をはたす努力を重ねていきます。そのスタートに秋のたたかいを位置付け、雇用と人間らしく働ける職場を守る、損保産業の社会的役割を守る、人間を大切にする労働組合として奮闘する、3本の柱でとりくみをすすめます。働くものの生活と雇用、労働条件を守り抜く決意をあらためて固め、この労働組合に結集し、秋のたたかいを意気高くとりくむことをここに決議します。

2013年9月20日
全損保第70回定期全国大会



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