春闘宣言


 人類は、世界同時に金融市場が崩壊し実体経済が落ち込む、未曾有の金融危機に直面しています。世界各国がすすめる「危機対応」は、本質的に危機を克服するものではなく、その一層の混迷を招いています。日本もその只中におかれ、金融と実体経済が一体で、急速に行き詰まる様相に陥っています。これが損保産業に激震を走らせ、企業規模の大小を問わず、損保経営者の「やらなかったこと、やれなかったこと」に手をかける衝動を一気に強めています。ここに再編「合理化」情勢第二幕の発火点があり、それは「何が起きてもおかしくない」情勢として深まっています。このもとで、損保労働者の、生活と雇用、労働条件にかかわる将来不安がかつてなく高まっています。
 しかし、この危機の深まりと混迷は、「競争にまかせれば経済は理想の状態に至る」という「新自由主義」に基づき、金融肥大化に依存して虚構の成長を続けた経済のありかたの限界を示すものです。いま、その転換をはかろうという潮流が世界的に広がり、明日をめぐる激しいせめぎあいが生まれています。日本も例外でなく、この危機を通じて「構造改革」の本当の姿が明らかとなり、その転換を求める国民・労働者の声が力強く政治を動かし始めています。そして、損保においても、「不払い・取り過ぎ問題」、AIGの経営危機などの事態を前に、社会的役割を果たすことこそ真の展望であるという私たちの主張は、いま、誰にも否定できないものとなっています。
 私たちは、この情勢を凝視し、危機の深まりと混迷の下で、損保労働者の生活と雇用、労働条件を守るために最もふさわしい役割を追求し、産業、企業、職場、一人ひとりの生活の「展望」をきりひらくために全力をあげます。そのために、この春闘を、「激動から展望の針路を見通し、労働組合の役割を発揮する」第1歩とし、○雇用と人間らしく働ける職場を守る、○産業の社会的役割を守る、○人間を大切にする労働組合として奮闘することを3本の柱にとりくみをすすめます。
 本日確立された春闘方針のもと、職場の思いと結びついた主張を全面展開し、諸要求、諸課題実現のため、職場で、地域で、機関と職場が一体となって、2009年春闘を意気高くたたかうことをここに宣言します。


2009年3月18日
第88回全損保中央委員会




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