春 闘 宣 言

 「構造改革」は、あらゆる領域で無秩序な競争を野放しにしてきました。その結果、この国の社会は、弱者が切り捨てられ、強者に富と力が集中する姿へと変貌しています。モラルなき企業の事件や事故も相次ぎ、安心・安全に暮らせる社会は、過去のものとなろうとしています。しかし、このような被害や矛盾を承知で、さらに規制緩和、増税、医療・社会保障の改悪などがすすめられようとしています。同時に、平和と民主主義、自由や権利を根底から破壊する憲法改悪の動きも強められ、国民に息苦しさをもたらしています。
 金融は「構造改革」の中心に位置づけられ、投機を競うグローバル競争をにらみ、金融コングロマリット化の具体化がすすめられています。メガバンクはなりふりかまわず収益拡大に突き進み、外国資本の動きも急を告げています。
 損保も、この動向にも巻き込まれ、社会的役割と無縁な、利益第一の競争に拍車がかかっています。「保険金不払い」問題も、その根本は反省されず、競争は、まさに「何をしても許される」段階に足を踏み入れつつあります。それは、東京海上日動社による契約係社員制度廃止という暴挙に表れており、絶対に許すことはできません。
 そして、職場には、誰もが「これはおかしい」「何とかしてほしい」と思う出来事が、毎日のようにもたらされています。「コンプライアンス」と「収益拡大」の同時追求、成果主義のやみくもな強化、不払い残業と同居する長時間過密労働、要員構成の多様化と仕事と不釣合いな賃金など、数えれば枚挙に暇がありません。会社の生き残りが強調されるなか、「声に出すには相当勇気がいる」状況も強められています。
 しかし、被害や矛盾は誰の目にも映っており、誰もが同じ思いを抱いています。目の前の被害や矛盾は、明日にはさらに深まることも、誰もが知っています。したがって今をただす主張は、共感を広げ、明日をひらく力になります。国や資本が行き詰まりと危機の突破を重ねる「新しい時代」は、私たちの主張から、いまをただし、明日をひらくことができる時代でもあるのです。
 だからこそ、私たちは、2006年春闘を「主張から、いまをただし、明日をひらく」春闘としてたたかいます。昨秋、全面勝利解決をかちとった「朝日闘争」も、すべての運動の確信です。○雇用と人間らしく働ける職場を守る、○産業の社会的役割を守る、○人間を大切にする労働組合として奮闘する、の3本の柱に立ち、改革された春闘スケジュールのもとで各支部・地協がたたかう統一闘争、ハンドブックに結実した「働くためのコンプライアンス」運動の前進、制度廃止に立ち向かう日動外勤支部のたたかいを重点に、諸要求、諸課題実現のために幅広く主張と運動をすすめます。
 私たちは、本日確立された春闘方針のもと、職場で、地域で、機関が一体となって、2006年春闘を意気高くたたかうことをここに宣言します。



2006年3月15日

全日本損害保険労働組合
第85回中央委員会


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