2004年損保平和交流集会アピール
大切な人と同じくらいに平和を尊び、
核兵器の廃絶を希求し実現しよう

 広島・長崎に原爆が投下されて59年。21世紀の反核・平和の世界の流れは大きく発展しています。原爆が広島と長崎にもたらした惨禍と、今日なおつづく被爆者の苦しみは、「人類は核兵器と共存できない」、「核兵器は廃絶する以外にない」ことを教え、核兵器廃絶の運動は、世界にひろがり、いくたびも核兵器使用の危険を阻んできました。そして私たちは、核の暴力が人類を破局に導くものにほかならないことを学んできました。しかし世界には、なお約30000発の核兵器が配備・貯蔵されており、この脅威をとりのぞくことは、平和を願う世界の人々と、私たちの緊急の責務です。
 一方、核大国アメリカは、2001年9月の同時多発テロ以降、力による支配をすすめ、小型核兵器の研究再開や、核兵器使用の新たな企てをすすめ、世界に新たな現実の脅威をつくりだしています。日本では、“有事法制の成立”、“イラクヘの自衛隊派遣と多国籍軍への参加”などがすすめられてきました。 加えて、我が国の政府首脳は、米政権の先制核攻撃政策を「選択肢の一つ」と容認し、平和主義をかかげてきた憲法の改定と、「つくらず、もたず、もちこませず」という「非核三原則」の見直しの動きを強めるなど、被爆国にあるまじき姿勢を示しています。こうした現実は、国内ばかりでなく、アジアと世界の人びとに、「いつかきた道」国内ばかりでなく、アジアと世界の人びとに、「いつかきた道」へ戻ろうとしているとの深い懸念をよびおこしています。こうした「力による支配」の政策は、イラク戦争で明らかなように、21世紀を迎えた世界には不必要であり、平和的手段による国際紛争の解決が何よりも求められているいま、逆行していると言わざるを得ません。
 原水爆禁止2004年世界大会は、「いま、核兵器廃絶を」をメーンテーマに、昨日から開催されています。その国際会議では、「被爆60周年で核不拡散条約(NPT)再検討会議が開かれる2005年を『核兵器の恐怖から人類を解放するための国際行動の年』にするため、今から行動を起こそうと呼びかける」宣言を採択しています。  こうした事実を、私たちの現実に引きつけてとらえれば、「平和でなければ、生活も産業も成り立たない」ということです。本日、私たちは、業界再編の情勢が進行する中で、それぞれが様々な課題に直面しながらここに集いました。そして、交流し、お互いのこの間の奮闘をねぎらい合い、讃え合いました。
 私たちは、「平和憲法」の下で、60年近くも他国を侵略せず、他国の人々をただの一人も殺傷することなく歴史を積重ねてきた事実に立ち、いま核兵器使用の新たな危険が強まる中で、「大切な人と同じくらいに平和を尊び、核兵器の廃絶を希求し」その実現を目指そうではありませんか。
核兵器の使用を封じ、核兵器廃絶の約束を実行させることは、21世紀のいまを生きる人々の共通の課題です。核兵器のない21世紀を速やかに実現するために共に考え行動し、「いま、核兵器の廃絶を」署名をさらに発展させていこうではありませんか。

 2004年8月5日
被爆59周年 原水爆禁止2004年世界大会連帯 損保平和交流集会





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